【モーニングの新人賞】第8回THE GATEの締め切りは11月30日! 三田紀房審査員に「新人漫画家がデビューするのに必要なこと」を聞く特別インタビュー公開!

2018/10/18 00:00

THE GATE] [インタビュー・対談] [新人賞

ただいま漫画・脚本・作画を大募集中の、モーニングの新人賞《第8回THE GATE》

来月末、11月30日(金)に近づいてきた締め切りを前に、今回の審査員を務める三田紀房氏(「モーニング」本誌で『ドラゴン桜2』連載中)の特別インタビューをお届けします!

聞き手を務めるのは、「第6回THE GATE」奨励賞のほか、月例賞「モーニングゼロ」2017年2月期奨励賞と同年6月期佳作も受賞している期待の新鋭・高瀬あきら氏!


インタビューのお題は、《新人漫画家がデビューするのに必要なこと》

読めば頭がスッキリ! ついつい考えすぎちゃう漫画家志望者諸氏必読のインタビューを、ぜひご覧ください!



面白さのキャッチング能力を高めよう!

高瀬あきら(以下、高瀬) 私は死ぬまで漫画家をやっていきたいと思っていて、今年中に会社も辞めるので、何としても頑張らなくてならないのですが、漫画家を長く続けるためにはどうすればいいでしょうか。三田さんが意識されていることはありますか?

三田紀房(以下、三田) お、いきなり切羽詰まったご質問ですね。長く続けるには、まずネームを早くやることだと思います。ネームを早く描けないと消耗が激しいんですよね。



三田紀房氏(左)と、聞き手の高瀬あきら氏。

三田紀房氏(左)と、聞き手の高瀬あきら氏。


高瀬 ちなみに三田さんはどのくらいの時間でネームを描いていますか?

三田 今はモーニングの『ドラゴン桜2』とヤングマガジンの『アルキメデスの大戦』の2本を連載してるんですけど、1本4~5時間くらいですかね。調子がいいと3~4時間くらいかな。月曜~木曜は『アルキメデスの大戦』の作画をやってるんで、土曜に『アルキメデスの大戦』のネームをやって、日曜に『ドラゴン桜2』のネームを作るという感じです。

高瀬 早い~! どうやったら、そんなに早く作れるんですか?

三田 ん~、なんていうかな。まずは自分が作ってるものを面白いって思うことですかね。自分で面白いって思えないと、相手に伝えようって思わない。ちょっとしたことでも面白いって思える癖をつけるといいと思います。僕は仕事中、AMラジオを流してることが多いんですけど、読者のお便りなんかをボーっと聞いてると、一日のうちで2~3個くらいは、面白いなと思えるものがある。これ漫画のネタになるんじゃないかみたいなね。ふだんの生活で見聞きしているもののなかでも、面白いと思えるものが結構あるんですよね、それを意識していると、「面白さのキャッチング能力」が高まっていくように思うんです。

高瀬 面白さに敏感になるということですか?

三田 そうそう。で、面白いなって思えることがあったら、すぐ描く。面白いと思ったことがあっても、肉付けして、ああだこうだとこねくり回していると、面白さのテンションが落ちちゃうと思うんです。何十年も第一線で活躍されている、『島耕作』シリーズの弘兼憲史さんなんて、本当に早い。たまに一緒に食事するんですけど、「この間、こんなことがあってさ……」なんて聞いた話が、ちょっとして雑誌を見ると、もう漫画になってる。常に面白さに敏感で熱が冷めないうちに形にするから、ネームも早いし長く活躍できているんだと思います。もちろん、じっくり考えて煮詰めていくことも大事だとは思うんですが、身もふたもない話をすれば、どんなに頑張って考えても出版社は一銭もくれませんしね。それなら早く形にして原稿料をもらったほうがいい。




「面白い」とは五感に響くもの

高瀬 いま、取材や資料集めが必要な話を作っていて、早くネームにしたいのですが、調べものに時間がかかって全然進まないんです。効率のよい情報の集め方ってありますか?

三田 僕は取材はほとんどしないんです。資料も集めないし、本も読まない。調べものは担当にやってもらってます。調べてきてもらって、A4の紙1枚にまとめてもらう。

高瀬 えっ。それは新人の頃からですか?

三田 新人の頃は調べものが必要なものは描かなかったです。面倒だし、時間はかかるし。繰り返しになるようですけど、調べものをしても出版社は1円もくれませんしね。

高瀬 くれませんよね~(笑)。ただ、『インベスターZ』では株の情報が詳細で、『アルキメデスの大戦』も戦艦のディティールや時代背景をたくさん盛り込んでますし、毎年甲子園に行ってらっしゃるのは野球の取材のためと思っていたので、一切調べものや取材をしないというのは意外でした。

三田 甲子園は半分遊びみたいなものだから、毎年行ってるんですよね。夏休みという感じで。楽しんで試合を観ていること自体が、自分にとってなんらかのインプットになっているとは思いますが、とりたてて何かのために取材をしているというわけではないんです。取材は面倒だし時間もかかりますしね。さっきも言ったけど。

高瀬 私は取材や調べものが好きなので、楽しんでやってはいますが、調べていくとあれもこれも盛り込みたくなってしまって、この間描いたネームの1話目は担当から「1話しかないのに3話分くらい読んだ気分になった」と言われました。

三田 ああ、それはわかります。情報は仕入れた分だけ描きたくなっちゃうんですよね。

高瀬 それと、いろいろ調べているうちに、整合性ばかりが気になって話が固くなるというか、身動きがとりにくくなってしまうことがあります。制限がかかってしまうというような。

三田 ええ、ええ。よくわかります。理屈っぽくなってキャラクターが動きにくくなってしまうんですよね。「面白さ」というのは理屈とは全然違うところにありますから。

高瀬 マンガの「面白さ」って、どういうところにあるんでしょうか?

三田 日本のマンガは読者の層が厚くて幅も広いんで、いろんな面白さがあるはずだろうとは思うんですけど、僕にとってのマンガ面白さは、理屈じゃなくて五感に響くものだということ。読み手に考えさせずパッと見ただけで面白いと思えるような。たとえば、「漫画ゴラク」で連載していた『クロカン』という高校野球の監督が主人公の作品があるんですけど、僕はこの作品を連載することで、どういうものが読者に受けるのかということを肌感覚で理解していったんです。連載当初は、県立高校の甲子園に行けそうで行けなさそうな実力の野球部を舞台に、監督の日常みたいなものを描こうと思ってた。でも、それだとちょっと話が小さくなってしまうんですよね。つまり、もっとドラマに起伏というか激しいダイナミズムが欲しかった。で、舞台と設定を変えて、田舎の部員が9人しかいないような弱小チームをどうやって甲子園に連れていくかという強いテーマを持たせて、話の振幅を大きくしようとしたんです。そこでやっと少しづつですが、読者の共感を得られるようになっていったんです。




思い切って大胆に描けばいい!

高瀬 設定を変えることで、話を紡ぎやすくなったような感じですか?

三田 そうですね。ドラマチックな展開ができるような設定になったんで、ムチャな話も多かったんですけど、いろんなことを試すことができたんですよね。たとえば、そのチームには一人だけズバ抜けたピッチャーがいて、150キロの剛速球が投げられるような選手なんです。でも、そのチームには、その球を捕れるキャッチャーがいない。じゃあ特訓しようってことで、キャッチャーの部員を荒縄で木に縛り付けて、どっかから牛の糞を持ってきて風船にパンパンにつめてボールを作って、パチンコでキャッチャーに投げつける。で、これを捕れたら150キロの剛速球を捕れるようになる!……って、言葉で説明すると、ひどい展開なんだけど、これがその週のアンケートで3位になった。「ああ、こういうのが受けるんだ」と思って、「思い切って大胆に描こう!」と果敢に挑戦していったら、人気も出てきて長期連載につながったんです。業界的にも評価されて、「ヤングマガジン」から声かけてもらって、「モーニング」でも連載して、今ここに至るというわけなんです。

高瀬 「思い切って大胆に」……。『クロカン』には、主人公の黒木監督をはじめ個性的なキャラクターがたくさん出てきますけど、連載作の主人公のキャラクターを作る時に意識されていることはありますか?

三田 まずは格好いいことですね。見栄えがよくて、主役として立っているというかね。まずは、そういうキャラクターを考えます。『クロカン』の場合は、黒木監督という主人公をキャラクターとして立たせたかったんですけど、野球の監督ってユニフォーム着てるから選手と区別がつかないんですよね。だから、ヒゲでもつけとこうとヒゲを描いてみたら、なんとなくいい感じになった。迫力があって、ちょっと偉そうで強いキャラクターになった。

高瀬 まず外見があって、キャラクターの内面が決まっていったんですか?

三田 そうですね。この見た目だったら、人の話なんか聞かないで偉そうにふんぞり返ってるよな。でも、決めるところは決めてくれそうだな……という感じで、黒木というキャラクターが出来上がっていったんです。で、舞台を田舎の弱小高校に移したら、黒木のキャラクターと相まってストーリーが大胆に動き始めたような感じですかね。

高瀬 黒木という強いキャラクターは先に決まっていたけど、ストーリーと設定は連載の途中で柔軟に変わっていったという感じなんですね。連載前にはどのくらい先のことを考えて始めたんでしょうか?

三田 まず3話ですね。絶対に3話までは話を考えるようにしています。連載は3話でこけると絶対に取り戻せないと思っているので、必死に面白くなるような3話を考えます。あとは、あんまりガッチリ話を決めずに、その時その時で面白いと思える方向に舵を切っていく感じですかね。とにかく先のことを考えすぎずに、身軽に素早く自分が面白いと思ったものを、思い切って描く——これが大事だと思います。

高瀬 ありがとうございました。さっそく帰ってネーム作ろうと思います。

三田 新作を楽しみにしてます。がんばってください。




なお、このインタビューを元に、高瀬氏が描いたレポート漫画が、本日10月18日(木)発売&配信開始の「モーニング」「週刊Dモーニング」46号に掲載されています。

当サイトでも転載いたしますので、こちらもぜひご覧ください!





次回のTHE GATEは、【漫画】【脚本】【作画】を大募集!

モーニングの新人賞《THE GATE》では、ただいま三田紀房氏(「モーニング」にて『ドラゴン桜2』連載中)と古屋兎丸氏(「モーニング・ツー」にて『アマネ†ギムナジウム』連載中)を審査員に迎えた第8回の作品応募を受け付け中です!




締め切りは、2018年11月30日(金)当日消印有効です!




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