【モーニングの新人賞】 第69回ちばてつや賞一般部門の2次選考議事録を公開!

2016/05/19 00:00

ちばてつや賞] [新人賞

ちばてつや賞一般部門の2次選考は部内選考会です。

モーニング編集部員全員で議論を行い、参加者全員の投票により上位となった作品が、最終選考へと進みます。 その場で、自分の気に入った作品を最も熱を込めて説明した部員が、その新人作家の担当編集となります。

2016年度前期・第69回ちばてつや賞一般部門の1次選考を通過したのは23作品(一覧はこちら)。その中から、ちばてつや先生をお迎えしての最終選考に進出する11作品(一覧はこちら)を決めた議論の様子を、ぜひご覧ください!


【1】 『浪漫野球に火をつけて』
中島望実 (滋賀県・21歳)

ストーリー

時は大正、屎尿しにょう処理の仕事をしていた寛治郎かんじろうは、ひょんなことで神戸から来たハイカラな女子・さくら子に出会う。2人は大の野球好きで意気投合。さくら子はコネでプロの試合のチケットを手に入れるが、寛治郎は下の兄弟を養うため仕事を休むことができず……。


編集部員・S根 線がすごくやわらかいのがまずよくて、作者にフェチズムがあることをすごく感じたんですよね。「描きたいものがすごくあるんだ」、という。投球している様もよく描けていますし。ジューシーな魅力を感じました。

編集部員・M本 歴史をきちんと調べていて、例えば当時の日米野球のチケットをちゃんと描いていたり、その一生懸命さは評価できると思っています。

ちば賞事務局長・田渕 たしかに熱心ですが、資料を調べるのが大切だと言われて忠実にやっているだけという印象を受けました。本人が好きで好きでたまらないという感じはしなかったのですが、どうでしょうか。

編集部員・T本 丁寧に描いているし、嫌な感じのする絵ではないと思ったんですけど、キャラクターの感情に乗れなかったんですよね。女の子が最初からいい子で、男の子は臭いだなんだと言われているんですが。最初の設定からの発展が、キャラクターになかったように思います。




【2】 『ぼロボボロ』
瀬和居ノキユ(愛知県・18歳)

☆2次選考通過作品

ストーリー

6102年、突如地球に発射された謎のミサイル。人類を含む地球の生物はすべて滅亡し、人間によってつくられたロボットが一体残された。そのロボットが見る夢、それは「にんげんになること」。


編集部員・J甲 最初はコマの中に絵がつまりすぎていて読みにくいと思ったんですが、ところどころに強いセリフが入っていて、何かを表現したいという作者の気持ちを感じました。女の子がすごくかわいく描かれていて、このキャラクターに「会いたい」と思えるような描写力も感じられます。ストーリーに関してはまだきちんと描写しきれていないものを感じますが、これからの伸びしろに期待しています。

編集部員・M本 絵にけっこう工夫を凝らしてますよね。

編集部員・J甲 そうですね。ロケットに「?」マークがデザインとして入っていたりと、何かを表現しようとしていますよね。

編集部員・T岡 独特の世界を作る力はあるのかなと。小っちゃい世界の中で展開する話をつくるのはうまいと思いました。すごく若いので、これからだと思います。

編集部員・M川 大賞でもいいんじゃないかな、という気持ちです。感動しました。1ページ1ページの演出とか、想像力のすごさに圧倒されました。編集者が提案してつくれるものとそうじゃないものがあると思うんですが、作家さんだからできる表現をたくさん持っていそうな人だと思いました。

編集部員・Y江 絵も荒いし、ストーリーもフワフワとしているんですが、セリフがうまいですよね。新人の方がファンタジーを描くと長くなりがちなんですが、16ページでまとめたところもいいと思っています。キャラクターが増えたときにどうなるのかな、と期待しています。

ちば賞事務局長・田渕 この作品は作品評価というより、作家の才能が評価されてる感じですね。




【3】 『不死身の就活 ~ふっかつ!~』
match(神奈川県・23歳)

ストーリー

何者かから逃亡中の女性・フジミは、手持ちの旅費がなくなり、病院でアルバイトの面接を受ける。面接官の女医に、自らを不死身だと語るフジミだが……。


編集部員・K田 ネームの状態でウェブに載っているのを見つけて、ほとんどそのまま作画してもらいました。

編集部員・Y根 ネームを見て絵にしてもらったんなら、せめてもうちょっとわかりやすいオチにしてほしかったね。オチがわからなかったよ。

編集部員・K田 そのあたりは僕のアドバイス不足だと思っています……。

編集部員・J甲 ストーリー自体はすごく面白いと思いました。ただ宝石が出てくる伏線とかが回収されてないですよね。後々に意味がでてくるんだろうなと思ったんですが。その辺がすごくもったいない。ここで描こうとしていること自体はいいので、力がある人だとは思います。

ちば賞事務局長・田渕 作品全体のテンションが低いっていうのは、モーニングではあまり見られないですけど、世の中にはいっぱいあるじゃないですか。こういう作品ってどうなのかなと思って、意見を聞いてみたいなと。

編集部員・S原 まあ読み切りになってないんですけど、会話のセンスがけっこうあって、面白くスルスルと読めたんですよね。伸びしろっていう意味ではすごくあると思っていて。どういう形の漫画を描いてもらうかっていう問題はあるんですが、担当と打ち合わせしていってお客さんが付くような漫画を描いてもらいたいですね。

編集部員・T本 女医のキャラクターがすごく面白いですよね。不死身の人よりもよっぽど怖いというか。そこをきちんと際立たせるような設定がつくれるといいな、と思います。若い感覚だと思いました。

編集部員・K林 K田がネームで声をかけたっていう意味はすごくわかる。セリフをすごく少なく、読みやすく、しかも会話だけで展開していて、すごくえらいと思ったんですよね。絵がうんぬんっていうところよりも、ネーム力はすごく高いんだろうなと。読み切りとしてきちんとまとめるといいと思います。




【4】 『マエエキ』
池添雅美(東京都・41歳)

ストーリー

東京都内、いろんな駅で繰り広げられる日常と、そこに潜む非日常。誰も気づいていないけれど、実はどこかでその生活はつながっていたりする。


編集部員・N沢 持ち込みをきっかけに担当になりました。街並みなどの背景を描くのが好きな方で、とても上手です。アシスタントとして働かれていましたが、自分の作品を作りたいと思い、持ち込みされたそうです。

ちば賞事務局長・田渕 人間もちゃんと描けてますよね。顔も2.5枚目という感じで、いいですし。女の人にも色気があります。

モーニング編集長・宍倉 絵とキャラクターの造形がとても安定していると思いました。ただ駅の名前でストーリーを展開させているんですが、四谷だけストーリーとの関係がよくわからなくなったのが残念で。そのあたりのつながりがうまく作れていれば、もっと面白かったと思います。

モーニング・ツー編集チーフ・三村 背景が好き、と聞いて納得しました。非常に出来がよくて、味がある。ただ、この1話だけでは何が言いたいかが、よくわからないんですよね。担当者はどういうところに向かう作家さんなのかを、きちんと考えないといけないと思います。街が本当に好きな方だったら、「街マンガ」をやってもいいかも。

ちば賞事務局長・田渕 ウェブ上にエッセイコミックをフルカラーで載せたら、人気が出そうだよね。

編集部員・Y原 自分にすごくアイディアがあれば、担当になりたいと思うんですよね。でもどうしていいかわからない。うまく描ける以上のことをどうやってやるかですね。作品で訴えることは何なのか、とか。

編集部員・T内 単なるスケッチではなくて、きちんと『パルプ・フィクション』的なストーリーの工夫もあるところはいいと思います。ただこの人のこの才能をどう生かすかは、たしかに難しいですよね。




【5】 『宇宙の孤独』
空木由子(岩手県・33歳)

☆2次選考通過作品

ストーリー

惑星アーテラスは科学の進歩により、数多くの問題を抱えていた。テラフォーミングするための「新展地」を探していたロイがある日、宇宙船を見つけて回収すると、その中から「トナ」と名乗る美しい異星人が現れた!


モーニング編集長・宍倉 構成にすごく難があってわかりづらいんですが、才能を感じました。独特の世界があってそれを描くことはできているのかなと。この人じゃないと描けないSFが出てくるんじゃないかと思って、評価しています。

編集部員・T本 この人じゃないと描けない絵や世界観を感じました。ちょっと古めの絵もいいと思います。

ちば賞事務局長・田渕 ちょっと古い絵なんだけど、今の若者はそんなの関係なく読めてしまうのかもしれない。

編集部員・T岡 古い絵だとは思ったんですが、題材にマッチしてますよね。SFに対する情熱を感じて、それが作者の突破口になるんじゃないかと思います。

編集部員・K藤 主人公のキャラクターがすごくかわいいですよね。官能的な部分もあって。いい絵を描く人だと思います。




【6】 『卒業して酒と煙草を覚えてしまっても君だけは黒髪のように変わらないでいてね。』
北橋勇輝(大阪府・19歳)

☆2次選考通過作品

ストーリー

ごく普通の男子高校生・横浜よこはまじゅんは、一見接点のないクラスのマドンナ・長谷川はせがわ陽子ようこと、放課後、密かに体を重ねる日々を送っている。「将来はAV女優になりたい」と語る陽子を、純は応援するのだが……。


編集部員・M本 担当です。最初にネーム段階で読ませてもらったとき、主人公がどっぷりこの女の子を好きな状態から始まる話だったんですけど、作家さんと打ち合わせをして、女の子を好きなのかどうか自分でもわからないくらいの距離感に変更することにしました。それをきっちり仕上げてくるネームの修正能力の高さと、難しい話をきれいに着地させたところに力を感じています。青春の身もふたもないカッコ悪さを描けるというのも魅力ですね。

編集部員・TN岡 最後の「結局好きだと言ってりゃ変わったのかな」って言ってる男の子のカッコ悪さがすごく好きです。絵に関してはまだまだ上達の余地があると思いますが、画力が上がっても、こういうカッコ悪さを描ける部分は大切にしてほしいですね。

編集部員・T幸 体だけの関係の高校生ってマンガっぽい設定なんですけど、その子がAVに出るというところで、見たい気持ちと、見たくないという切ない気持ちの生々しい葛藤が良かったと思います。

ちば賞事務局長・田渕 この読み味を失わない程度に、最低限の技術をつけてほしいですね。ラブホテルの名前とか、ちょっとした小ネタも面白いし(笑)。細かいところに工夫が見られて楽しかったです。




【7】 『ハルの夢』
渋谷さえら(東京都・28歳)

ストーリー

突然死してしまったサラリーマンの男。家族への未練を捨てきれずにいた彼は、生まれたばかりの息子の体に乗り移ってしまう。再び妻との日々を過ごせることを喜んでいたが、それは望んでいた幸せとは違っていて……。


編集部員・K本 かなりマンガを描きなれていて、読みやすかったのですが、もう少し読者を驚かせるような、この人にしか描けない味が欲しいと思いました。

編集部員・K田 最初に読んだときにストーリーに感動して、いい評価をつけましたが、今一歩という部分も感じてしまいました。もう少し絵に描きこみが欲しいと思ったり、表情のバリエーションに乏しい部分があったので、リアリティをどう出すかということを意識して描くと、さらに良くなるんじゃないかと思います。

編集部員・M月 新人賞の応募作を読んでいると、「死んで生まれ変わる」というお話はたくさんあるんですけど、その中ではとても安定感がありました。絵も落ち着いているし、平凡ではあるけど、破綻はたんせず読める作品に仕上がっていますよね。

ちば賞事務局長・田渕 バランスよく描き上げていて能力の高さは感じるけど、もう少し意外性も欲しかったですね。




【8】 『スマホケース』
陣野ハル(福岡県・24歳)

☆2次選考通過作品

ストーリー

ゴミの中から、タバコが見つかった! 育ての親に喫煙についてとがめられたタマオとリョーちゃんは、タバコの箱を「スマホケースだ」と言い張ってごまかそうとする。


編集部員・K井 月例賞のモーニングゼロで受賞経験のある方で、次のステップということでちば賞に出してもらいました。

編集部員・F士 スマホとたばこの空き箱だけでここまでネタを引っ張っていけるのはすごいなと思いました。しかも、全部笑っちゃったんですよね。ここまで笑わされたら、高い評価をつけざるを得なかったです(笑)。最後、漫画の形式が4コマみたいになるところだけは、少し読みにくさを感じました。

編集部員・J甲 私は逆に、コマ割りが変わったこところは演出として巧みだと思いました。

ちば賞事務局長・田渕 鋭く「日本の風景」を描き出せる方ですよね。描くネタ自体が面白いのはもちろんなんですが、現代日本のリアルな空気が漫画から漂っているように思います。




【9】 『呂嘉ロイガ虎殺し』
チェン達理ダリ(東京都・35歳)

☆2次選考通過作品

ストーリー

呂嘉は両親を虎に殺され、弟と二人きりになってしまう。親がいないことで、集落の中で居場所をなくした呂嘉は、幼い弟を連れてかたきの虎を狩りに向かう。


編集部員・N沢 数年前、モーニングに漫画を持ち込んだ経験のある方です。今は日本でアニメーターとしてお仕事をしています。

編集部員・O道 人物の顔が濃くて魅力があり、お話も力強くて才能を感じました。自分で担当したいと思うくらいです。

モーニング編集長・宍倉 一つ一つの絵を一生懸命描いていたことに、すごく好感が持てました。ただ、漫画の描き方、文法みたいなものにまだ不慣れなところがあるんじゃないかと感じました。

編集部員・TN岡 絵を見ていると、「漫画が描きたい!」というご本人の情熱が伝わってきますね。「次にどんなお話を描くんだろう」という期待感があります。

編集部員・K林 異国情緒のあるお話は新鮮でよかったんですが、それに固執せず、「日本」を題材にした漫画も描いてほしいです。

ちば賞事務局長・田渕 人物はもちろん、動物の絵の迫力も鬼気迫るものがあります。画力に対して高く評価する人が多いですね。




【10】 『坂の上の看護婦たん』
まきひだ(埼玉県)

ストーリー

とある精神病院に赴任ふにんしてきた、小っちゃくてかわいい看護師さん。変わった医師や同僚に囲まれ、意外とにぎやかな職場の雰囲気に戸惑うが、自分から溶け込もうとはせずに一定の距離を保っていた。そんなある日、患者の一人が行方不明になってしまい……。


モーニング・ツー編集チーフ・三村 絵が綺麗で読みやすかった。でも、精神病院という場所を描くにあたって、人間の内面へのアプローチが足りていないように思います。描くとしたら、医者や看護師にしても患者にしても、もっと丁寧に描く必要があるんじゃないでしょうか。

編集部員・J甲 すごくかわいい絵で、主人公にちゃんとキャラクターとしての存在感を感じました。ただ、いい話にまとめてはいるんですけど、たしかに病院の描写としては不十分なところが見受けられたので、この女の子を活かしつつ、企画を練っていければと思います。

編集部員・O道 主人公の心理ネームに、「私はあなたたち(患者)が嫌い」というものがあったんですが、主人公がなぜそう思うのか、最後までわかりませんでした。看護師という職にある主人公に、患者に対してそこまで強い言葉を使わせるなら、納得できるだけの理由が欲しいし、そのネームを物語にうまく絡めてほしかった。

ちば賞事務局長・田渕 うーん、絵はかわいくて、コマ割りも読みやすく仕上がっているんだけど、別の題材でもう一回見てみたいですね。




【11】 『めぐる』
堀 正泰(茨城県・28歳)

ストーリー

夢も目標もない青年・信幸のぶゆきは、ある日乗っていた漁船が波に飲まれ、ひとり無人島に流れ着く。何日も助けが来ず「自分はいらない人間だから……」と卑屈になっていたが、謎の老人と遭遇し交流するうち、その考えを改めていく。


モーニング・ツー編集チーフ・三村 元気な爺さんがすごく面白かったです。難しいことを考えずに楽しく読めました。しみったれてなくて、いい。「生きてて楽しいんだろうな、この爺さん」って思えます。

編集部員・K田 僕もこのお爺さんはカッコいいと思います。序盤をなくして、お爺さんをもっと描いたほうがいいんじゃないでしょうか。

ちば賞事務局長・田渕 後半に作者の情熱がにじみ出てきますよね。

編集部員・T岡 熊と戦うシーンはイチオシですね。とにかくここを見てくれという意志を感じます。

ちば賞事務局長・田渕 たしかに、何か訴えてくるものがものすごくある。

編集部員・Y原 このラストって、これは島全体が亀だったってことですか?

編集部員・K林 ラストが蛇足なんですよね。

編集部員・F士 でも、私はこのラスト好きです。こういうでかい生物ってロマンがあっていいじゃないですか。

モーニング・ツー編集チーフ・三村 この人を評価しているのですが、でもこの先、どういう作品を描くべきなのか、方向性が見えづらいですね。

ちば賞事務局長・田渕 ある種のテンションに惹かれる人も編集部内に一定数いるわけですから、モノになる才能があるかもしれません。次回に期待しましょう。




【12】 『ひみつの花園さん』
夕海ゆみ(東京都・25歳)

☆2次選考通過作品

ストーリー

モモと同じクラスになった花園さんはずっとマスクをつけていて、誰も外したところを見たことがないという。そんな花園さんと仲良くなったことをきっかけに、モモは恋人との距離ができ始め……。


編集部員・J甲 私が担当です。この方は第2回(2015年後期)THE GATEにて『三瓶先生の時間』で奨励賞を受賞した方です。この作品、最初はもっとページ数があって削ってもらったんですが、今でもまだ長いと思っていて、もっともっと短くできると思っています。

編集部員・O道 前作に比べてキャラも漫画の描き方も、ものすごくうまくなっていて驚きました。1次選考の段階から、大賞候補だと思っていました。

モーニング編集長・宍倉 どのキャラクターも自然だし、才能を感じます。担当に聞きたいんですが、この人にこの先どういうものを描いてもらおうと思っているの?

編集部員・J甲 この人の描きたいものが学生の何がしかなので、モーニング・ツーで女の子が主人公のお話を描かいてもらいたいと思っています。具体的にこういうものを、というところまではまだ思いついてないですね。

モーニング・ツー編集チーフ・三村 前作から本当に伸びていて、そこは評価しています。ただ、題材が幼い。単純に「描きたいものが学生の話=モーニング・ツー」というのはちょっと難しい。主人公が学生でも構いませんが、何かしら大人っぽい目線は欲しい。

ちば賞事務局長・田渕 個人的に『三瓶先生の時間』はすごく高評価だったんですが、「傷がある同士だからわかりあえて、傷がない君とは付き合えない」っていうのがひっかかっていて。それは読者層がローティーンだとしても、大人がそれをローティーンに向けて言っちゃいけない価値観だと思うんですね。

モーニング・ツー編集チーフ・三村 最後もちょっとモヤッとしましたね。結局顔の傷はどのくらいの傷なのか、彼女の思い込みなのかどうかもわからず。つまり何をさらしあったのか、さっぱりわかんないんですよね。でもそれは「読んでる人がなんとなく理解してね」って思って描いてるような気がして。

編集部員・K本 わかりづらくて唐突なところが、逆にセンスのように見えている感じがしますね。

ちば賞事務局長・田渕 実は傷がないっていうオチなのかと思ってそういう伏線を探し始めちゃったんですが、傷はあるんですよね。

編集部員・K林 主人公のお兄ちゃんが言ってたから、傷はあるんでしょう。そこを描かないっていうのは不思議ですね。私も最後まで傷を見せなかったところが一番気になりました。彼女の顔にあるその傷が、どのくらいのものかって追っちゃうんですよね。それが最後まで出てこなかったことを、よしとするのか。よしとする人もいるだろうし、そこがもしかしたら、センスのように錯覚させるところなのかな、とも思います。

モーニング・ツー編集チーフ・三村 明るい話でなくてもいいんですが、読んだ人が何か気づきを得られるような、世界が広がるような、テーマをそこまで掘り下げて描いてほしいですね。

編集部員・K林 でもやっぱり、この人は3人のキャラの作り方がうまいですね。主人公と男の子とその彼女っていう図式が、最初のたった何ページかを読んだだけで全部わかる。たしかにちょっとお話は長いんですが、その世界にするっと入れる構成になっている。この図式は高校生じゃなくてもできるので、次の作品はその点を頑張ってほしいと思います。




【13】 『旧友』
みよ まちこ(21歳・東京都)

☆2次選考通過作品

ストーリー

死んだはずの友人・ハル子が我が家にやってきた。かつ江は、ハル子の「別れた彼氏に会いたい」というワガママを聞き、ふたりで一緒に海辺の町へと出かけることに。しかし、ハル子の目的は別のところにあり……。胸うずく少女たちの青春譚。


ちば賞事務局長・田渕 この作品は、男がワクワクできる百合ゆり感が満点にありますね。

編集部員・Y江 担当希望です。絵がすごく色っぽいと思って。この黒髪の少女は高校生なんですが、仕草や表情がすごくなまめかしいんですよ。あと、1ページ目にいきなりお尻をもってきているのがすごくいいです(笑)。このお話自体は、正直イマイチだと思っているんですが、この絵に食いつく人はたくさんいると思うので、もうちょっと女の子が活きる話を描いてみてほしいです。都会の中の女の子より、自然の中の女の子のほうが自然体の色っぽさが出ていいんじゃないかと。

編集部員・K田 私も担当希望です。この人はとにかく絵がうまい。女の子がかわいい。背景はもっと細かく描いたほうがいいと思うんですが、遠くにある船もちゃんと形がとれているので、指摘すれば描けると思うんです。画面もすごく気持ちがいいです。

編集部員・Y江 私はもっと引きの画面も欲しいなと思いました。

編集部員・T岡 最後のオチはちょっとガッカリしちゃったんですが。

編集部員・K田 たしかにこのままではダメなんですが、普通だったら彼氏に会いに行くところを、そのハシゴをはずして奇をてらおうとする点はその意気やよし、と好感が持てます。

編集部員・S原 私も担当を希望したいと思ってます。皆さん仰ってますが、やっぱり女の子が色っぽくて……。黒髪の子が体育座りしてるときの表情がすごくいいんです。私の好きな小松こまつ菜奈ななに似ていて(笑)。くるぶしとか足の甲とか、細かいパーツもエロくていいなと思っちゃったんですよ。お話自体は新人さんがよく描くような話なんですが、海辺の雰囲気が自然に描けているので、海のある風景の、爽やかでエロい話を描いてほしいですね。作品というより作家さん評価という感じです。

ちば賞事務局長・田渕 この作品でまだ21歳ですもんね。この人の描く女の子は男にも人気が出ると思うので、モーニングでアリだなあという感じがしてます。

モーニング・ツー編集チーフ・三村 私もすごく評価しています。コマ割りがすごく音楽的なんですよ。横に4つコマが並んだりと、無茶苦茶なことをやってるんですが、すごくリズム感がある。贅沢にページを使ってる印象なんですが、意外に22ページと少ない。

編集部員・S原 そう、意外と短いんですよね。先ほどの『ひみつの花園さん』は長かったなあと思ったらやっぱり長かったんですけど、この人は意外と短かったという印象。

ちば賞事務局長・田渕 線の数とか、セリフの数はものすごく少ないのに、1コマや1ページあたりの情報密度がすごく高いんですよね。この線の数で、人物が持ってる雰囲気や感情がこれだけ伝わってくるのはすごいです。

モーニング・ツー編集チーフ・三村 先ほどモーニングでもアリと言われましたが、正直モーニング・ツーで描いてほしいですね。




【14】 『蕎麦斬り』(他10作品)
クロ僕屋(千葉県・33歳)

ストーリー

深夜、二八そば(そばの屋台見世)に一人の侍が訪れた。どうも店主とこの侍には、過去に因縁があるようで……。


編集部員・T内 すごく迷いましたが、そばが美味しそうに見えたのと、この長さでまとめているのがいいなと思って、評価しました。映画的というか、雰囲気はいいと思ったのですが、絵柄とセリフに頼りすぎていて、やや話がわかりづらかったのが残念です。

編集部員・O道 ラストのオチは、あまりにわかりづらかったですよね。読者も納得しないと思います。あとキャラクターの顔に、あまり魅力を感じなかったです。でも、実力はある方だと思います。そばは大変美味しそうでしたし!

編集部員・M本 掲載してもおかしくないレベルにはあると思うんですが、これが売れるかというと、正直難しい気がしました。

ちば賞事務局長・田渕 表題作以外を読んでも、器用貧乏みたいな感じが抜けない人ですよね。

編集部員・O道 本数をたくさん出してくれたのは、そのあたりをご自分でも考えるところがあったんじゃないでしょうか。やる気はとても感じるので、私は担当してみたいですね。




【15】 『100個の願い』
蒲郡がまごおり灰鵡はいむ(大阪府・21歳)

☆2次選考通過作品

ストーリー

相棒の帽子とともに「100個の願い」をかなえて、多くの人を幸せにしようと奮闘する魔女。彼女には、心に秘めた目的があったのだ。


モーニング・ツー編集チーフ・三村 この人、若いですよね。今の若い人って「花金」って言葉を使わないんじゃないですか?

編集部員・Y江 普通に使いますよ。

一同 ええ! そうなんだ(笑)。

ちば賞事務局長・田渕 ラフな絵ですが、ちゃんとした描き方を知らないままで、手癖でここまで出来てるから、担当がつくと伸びると思います。

編集部員・M本 私もまったく同じ意見です。オチもよくある形なんだけど、迫力がありますよね。複雑な内面を持ってる人かもしれないと思い、作家性を感じました。

編集部員・T岡 残酷というか救いのない話なんですが、露悪的な印象だけじゃなかったです。暗いものを描きながら、明るい部分も含めてちゃんと複雑に描けているんだと思います。




【16】 『SNOWOLF』
MUSASHI(神奈川県・35歳)

☆2次選考通過作品

ストーリー

ゲレンデのパトロール隊員・弐狼じろうは無口だが、スノーボードスキルは抜群の男。遭難したボーダーの捜索に出た弐狼は、難なく遭難者を見つけるが、助ける代わりに5千万円払えと要求する。その真意とは……。


編集部員・T岡 めっちゃ背中の狼を見せたがる作品ですね。

モーニング・ツー編集チーフ・三村 これ最高ですよ。弐狼の背中が見えるたびにツボに入って、めちゃくちゃ目に留まるんですよ。今回の選考作の中で、こんなに目に留まるキャラクターはいなかった。でもこれ、みんな弐狼の背中にビビってんのかな? みんな背中のことに言及すればいいのに。まわりにもっと面白いキャラを配置して会話を入れられれば、このキャラクターは魅力が十分あると思います。

ちば賞事務局長・田渕 でもこの解決策は最悪だけどね(笑)。なんてことするんだと。

モーニング・ツー編集チーフ・三村 あそこもまわりがちゃんとツッコんであげたら面白くなるのに。誰もツッコまないから、弐狼がかっこいいんだか、かっこ悪いんだかわからない。ここに笑いをちゃんと入れられるかどうかが大事ですね。

編集部員・Y原 ちゃんとギャグにできればいいんだろうけど。

モーニング・ツー編集チーフ・三村 いや、弐狼はかっこよくていいんですよ。背中の狼かっこいいですもん。ただ、ツッコみがないから、「かっこいいけどちょっと笑える人」とか「やや無茶をする人」とかっていう、キャラに対する理解と愛着を持ちづらくなる。

編集部員・Y原 志はいいと思うんですけどね、スノボ漫画の金字塔を打ち立てるって。

モーニング・ツー編集チーフ・三村 どういうことをやりたいかというのが明快にあるのがいいですね。スノボ漫画をやりたいんだと。ただ、その割にはスノボの描写が面白くないです。

編集部員・K渕 そもそも、この話ってスノボである必要性ないんじゃない?

編集部員・F島 スノボで滑ってるシーンが意外と少ないですよね。

ちば賞事務局長・田渕 経歴を見ると、ずっとスノボ専門誌で描いてきたそうですね。滑ってるシーンは少ないんだけど、力抜いてぼんやり斜面の上に立ってる絵だけで、「なんか上級者っぽい」っていう感じが伝わってくる。この人はスノボを描く力はあると思います。

モーニング・ツー編集チーフ・三村 この人に会って話を聞いてみたいですね。スノボの話で本当に面白いネタがあるのかと。私はスノボの世界がどれくらい広がりがあるのかを知らないから、話を聞いて「あ、なるほど」って思えたら、きっといけると思う。

編集部員・S原 私も担当したいです。ただこの人、サラッと描けちゃうから無意識に手を抜いて描いてるように見えます。だから雪も全然冷たそうに見えないし、全然死にそうにも思わない。こういう作品って、自然が持つ人間の手に負えない部分を描かないと面白くならないんです。

編集部員・T幸 でも、山の現場にいる空気感を描けている点はこの人の武器だと思います。私も担当を希望します。私は長野県出身でウィンタースポーツもやるし、物欲的な面を描くためにこの車種を選ぶところとか、この人と気が合うと思うんですよね。

編集部員・T山 私も担当希望です。読みやすいし、仕掛けもちゃんとあるし、キャラも作ってる。オチで背中の狼の絵っていう遊びの絵を入れる工夫もできるし、全体的に一定水準を超えていると思います。あとはスノボに何かの企画をのっけて漫画が作れるかどうかですね。




【17】 『デイドリームビリーバーズ』
ムラタヒサシ(東京都・40歳)

ストーリー

車酔いに悩む男が思いついた妙案。それはバスを愛することだった!?(『イマジネーションオブラブ』)など、ショートストーリー全7本。


編集部員・T岡 なんか、笑えたんですよね。彼女の機嫌とカーブの関係性とか、細かいんですけど、いちいち笑えたので評価は高いんです。でも、この方をこの先どう展開していけばよいのか、まったくわからなくて……。

編集部員・K 僕も笑ったんですよ。一つ一つ、笑ってしまって。でも笑ったのは、もしかしたら自分だけかと、不安に思っていました。

編集部員・M本 アイディアがあって、オチもちゃんとあるんですよね。でも残念ながら、商品性はないのかな、と思います。




【18】 『刺されたら十字をかけ!』
ならねこ(東京都・27歳)

☆2次選考通過作品

ストーリー

「刺されたら十字をかけ!!」という謎の言葉を残して、友は消えた……。俺は献血に行って、きれいなおねえさんをナンパしてただけなのに、一体なにが起きたんだ!?


編集部員・Y川 今回一番、ギャグセンスが尖っていたなと思いました。タイトルがまさかラストにああやってつながってくるとは思わなくて、驚きましたし、一番笑いましたね。

編集部員・K林 こういうギャグ漫画は、ネタがどれだけ詰まっているかを見せるのが、新人賞では大事だと思うんです。絵の問題もありますし、構成が上手いとも思わないんですけど、ここまでネタをたくさん投下してきて、物量だけで人を笑わせようとする、この人の気迫に負けまして……。絶対担当したいです!

ちば賞事務局長・田渕 1ページ単位という話でなく、1コマの中にネタがいくつもある。

編集部員・K渕 それに、ネームのセンスが抜群ですよね。素晴らしい! 言ってしまえば、主人公が妄想してるだけの話なんだけど、一つ一つのネームがキレッキレ。つまらないものがまったくないことに、びっくりしました。

編集部員・F士 僕はタイトルを見て、絶対に蚊の話だと思ってしまったので、オチにまったく驚きがなかったんです。それにネームの量が多すぎて、読むのが辛かった。

編集部員・M本 このセリフの多さで読ませるなら、10ページくらいにまとめてほしかったですね。

編集部員・K林 編集部内での評価がかなり割れてますが、尖ってないとギャグ漫画は絶対にダメだと思うので、逆によかったと思います(笑)。




【19】 『ウラハラ』
倉原翔太(兵庫県・19歳)

ストーリー

放課後の人気のない教室で、それまで見たこともない少女と語り合うようになって3週間。でも僕は、彼女のことをこれっぽっちも知らなかった。


ちば賞事務局長・田渕 19歳です。

編集部員・N沢 成長する可能性がある人だと思います。作品の内容はいまひとつですが、将来性に期待しているので担当したいです!

編集部員・F島 可愛らしい絵が描けていますよね。ところどころ、複雑な感情を現している強い表情があって、ギョッとしました。

モーニング編集長・宍倉 モノローグにつられて最後までひっかからず読み通せたので、言葉の力があると思います。あと若い人が好きそうな感じもあります。実際、N沢が担当したいって言ってますし。

編集部員・K林 同人誌の世界でウケそうですよね。変な言い方をすると、これを描き続けなきゃいけない羽目になるかもしれないので、気をつけてほしいです。




【20】 『害虫』
仁禮健太(福岡県・26歳)

※禮の字は正しくは「ネ豊」

ストーリー

大学生の札元ふだもとの住む町では、動物虐待の事件が多発している。彼はある日、虫を食べる少女・田崎たざきと出会い……!?


編集部員・O道 第67回(2015年前期)ちばてつや賞にて『さらば闇よ』という作品で奨励賞を獲り、昨年Dモーニングの新人増刊に「賭け卓球」の漫画が掲載された方です。画力を上げるために、読み切りの原稿をたくさん描いてほしかったので、今回はちば賞に出してもらいました。

ちば賞事務局長・田渕 自分にとっての正義が他人にとっては異様だというのを、あらゆるレイヤーで描いていて、ものすごく高度なことをやろうとしているし、才能もあるとは思うんだけど……。

編集部員・K藤 前回の作品に比べて、絵もストーリーも進歩を感じました。作者がやろうとしていることが、すべて成功しているとは思わないんですが、作品全体を不安な空気で覆って、読者をそこに引き込もう、という作者の策略というか意図を感じて、実際にぐいぐい引き込まれました。ただ、今回は全体的にラストがよくわからない作品が多かったんですが、これもそうだったなと。主人公が、最後に田崎さんの言葉をなんで理解できたのか、結局わからなかったんですよね。

編集部員・Y江 まず女の子が虫を食べているシーンにインパクトがあって、小学生が動物を虐待しているのにもインパクトがあって、主人公が小学生をボコボコにしているのも衝撃的で……。この話のどこに重きを置いて読んで、どこに驚いていいのかがわからなくなってしまいました。もっとシンプルな作りの話だったら、引き込まれて読めたのかなと。

モーニング・ツー編集チーフ・三村 ちゃんと描けているし、見せる力はあると思うんだけど……。この人はこの先どこに向かっていくのかな。

ちば賞事務局長・田渕 答えの出ないことを、なんとか原稿用紙に焼き付けようとする努力と才能は認めつつ、でもそっちには行かないほうがいいんじゃないかなと思って、でも努力と才能は認めるし……という感じで評価に悩みましたね。一回こういう作品を描いてもいいとは思うけど、賭け卓球の話から、エンタテインメントとしては後退してしまった気がします。




【21】 『あいゆえに』
猫井(兵庫県・27歳)

ストーリー

結婚し、実家を離れることになった主人公。小さい頃から見慣れた街並みと優しい両親のことを思い返し、今の自分を形作ったものに気づいていく。


編集部員・N沢 持ち込んでいただきました。皆さんの意見を聞いてみたいと思っています。

編集部員・F島 ワンテーマで作り通していることが潔いのではないかと思いました。違和感なく読めるので、印象に残りづらいという欠点もあるのかなあと。

編集部員・J甲 絵として足りないところもあるけど、実は細かい演出が効いているんですよね。こういうものを退屈させないで読ませるのは地力がいるし、細かいエピソードも高評価ですね。

編集部員・K林 これは物語ではないですよ。実体験の域を出ていないのでは? 何か一つ噓を入れてくれないと、作家の才能としては評価しにくいですよね。




【22】 『動物商 空久保ケージ』
安島藪太(32歳・東京都)

☆2次選考通過作品

ストーリー

「動物商」、それはちょっと変わった動物を売り買いする仕事。動物大好き女子高生・文子あやこは、動物商・空久保そらくぼのもとに足しげく通い、至福の時を過ごしていた。しかしある日、経営難から文子が可愛がっていたハイエナを売ることを知り……。


編集部員・Y江 私が担当です。第2回(2015年後期)THE GATEにて『たたずみっぱなし』で奨励賞を受賞した方です。前作が普通のお話だったので、「今度は何かテーマがある話にしましょう」と話したところ、実際の動物商の方に取材をされてきて、今回の話を描くことになりました。

ちば賞事務局長・田渕 この人はものすごく進歩してきていますね。

編集部員・T岡 最後に展開をひっくり返してスカッとさせてくれる工夫もあり、読みやすかったです。ただ、ところどころ引っかかるところがあります。主人公は「この仕事は奴隷商人みたいなものだから」と自分たちのエゴを理解している風なんですが、一方で無邪気に亀を連れてきたりしていて。キャラクターの発言の矛盾が気になりました。構成はうまくできてるんですけど。

編集部員・S原 よく取材もできているし、一生懸命描いていていいと思いました。毎回どんどん進歩していますね。ハイエナのうんちくもまあまあ面白く読めました。全体として面白かったとは思うんですが、この動物のネタで連載できるのかと言うと、ちょっと足りないかなと。この人が今後どうやって売り物を作っていけるか……。

ちば賞事務局長・田渕 すっきり読めて面白いんですが、この人が大好きっていうファンをどうやって獲得していくのかが課題ですね。

編集部員・S原 前作に比べて主人公もよかったし、絵も前よりは険がないです。ただ、まだこれだとお客さんがつくレベルには至っていない気がします。

モーニング・ツー編集チーフ・三村 私はこの作品に感謝しているんですよ。私はハイエナが犬の子孫だと思っていたので、猫の子孫だということに衝撃を受けたんです。ずーっといろんな人に犬だって言い続けていたのに。「間違っていた! 気づかせてくれてありがとう!」と。

編集部員・J甲 そんなに言う機会あります!?

モーニング・ツー編集チーフ・三村 いや、新人さんに「なぜ人は群れるのか」っていう話をするときによく使ってたんですけど、間違ってた(笑)。でも、この女子高生は空久保にキラキラしたんですよね? なんでキラキラしたのか、何にキラキラしたのかがわからないんです。人の本音ってちょっとしたやりとりの部分からわかるところがあるんですが、これは誰に対して何を思ってるのかよくわからなかった。おそらくですが、お話のためにキラキラすることにしよう、ということで、キラキラさせてるんじゃないかなと。あとは空久保の初登場シーンに演出をつけて、芝居をさせないとダメです。芝居でちゃんと読者を説得してくれれば、もっとよくなるんじゃないかと思います。それと、ツッコミも弱い。遊びとギャグがないから、すごく生真面目な感じがしました。ラストもギャグになっていなくてよくわからないし。

編集部員・Y江 ラストは私もわかりづらくて何度かやり直したんですが、時間がないので投稿してもらいました。

編集部員・S根 私は今回これが一番おもしろかったです。絵から怖さを感じるところがある人なので、選んだハイエナという題材がすごくマッチしていた。キャラクターの魅力はもっとあったほうがいいんでしょうけど、怖くて目を引くようなものがある題材でやっていってほしいなと思いました。

編集部員・Y原 冴えない中年に女子高生が惚れるっていう展開は『恋は雨上がりのように』にすごく似てるなと。でも、この作品には二人の関係性が描かれていない。ハイエナのネタはすごく面白かったんですが、そこは読み切りだったら成立しますが連載には向いていない。女子高生とおじさんの関係性をうまくやればもっと面白くなるんじゃないかと思いながら読んでいました。




【23】 『インチキ占い師』
山本ゆうほ(東京都・26歳)

ストーリー

自分がインチキだと自覚する女占い師。ところが本人の思惑とはあべこべに、人生が開けたと感謝されることもたびたび。ある日、友人の頼みをインチキなりに手伝うことになるが。


編集部員・N沢 第2回(2015年後期)THE GATEで2次選考まで残った『西さんと。』という女子高生が折り紙を飛ばしあっている4コマの作者の方です。

一同 ええー!? あの人!?

編集部員・N沢 前回は構図がうまいと評価されたんですが、今回はあまり評価が高くなくて衝撃を受けています。

ちば賞事務局長・田渕 前回に比べると精彩を欠いてしまったのが、この評価につながっているのかも。

編集部員・Y江 個人的には好きなんですが、この人のリズム感ではメリハリの効いたコマじゃないほうが良いのかも。最後の縦長コマも逆効果だと思います。

ちば賞事務局長・田渕 4コマと普通の漫画はかなり違うから、向いていないことをやってる気がします。絵も癖がないから6番の『卒業して酒と煙草を覚えてしまっても君だけは黒髪のように変わらないでいてね。』の方と逆で、安定してるがゆえに捉えどころがない印象ですね。

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