最新⑧巻刊行直前記念企画! 『インベスターZ』三田紀房、当代随一の「ファーストペンギン」三木谷浩史楽天社長に会いに行く。ウェブ限定の完全版でどうぞ!

2015/03/19 00:00

インタビュー・対談] [モーニング本誌情報

話題の株式投資学園マンガ、三田紀房『インベスターZ』待望の最新単行本第⑧巻は、いよいよ来週3月23日(月)発売開始です!

これを記念して、本日3月19日(木)発売&配信開始の「モーニング」「週刊Dモーニング」16号に、特別対談【楽天・三木谷浩史社長×三田紀房】が掲載されています! 当サイトでは、この対談の完全版をウェブ公開! ついに実現した貴重な大型対談の全貌を、ぜひご覧ください!

なお、「モーニング」「週刊Dモーニング」16号には、三田氏描き下ろしの特別カラー対談マンガ「ファーストペンギンに会いに行く!!」も掲載されています。こちらもどうぞお見逃しなく!


二人の「ファーストペンギン」が語る!
ビジネスの荒海を泳ぎきる方法。

ファーストペンギン。それは、氷の上にいるペンギンの群れの中で、真っ先に海に飛び込む一羽のことだ。危険も大きいが、他のペンギンがいないぶん、楽にたくさんの魚を獲ることができる。

ビジネスにおいて、ファーストペンギンのようにリスクを取ることへの恐れをはねのけて、成功するためには、どうすればよいのか。「IT革命」の旗手、楽天・三木谷浩史社長と、『インベスターZ』作者・三田紀房氏が縦横無尽に語り尽くす!


財前が表紙で“ファーストペンギンポーズ”をキメている『インベスターZ』⑥巻を持つ三木谷氏(左)と、『ファーストペンギン 楽天・三木谷浩史の挑戦』を手にした三田氏(右)。<br>撮影=田口沙織(以下同じ)

財前が表紙で“ファーストペンギンポーズ”をキメている『インベスターZ』⑥巻を持つ三木谷氏(左)と、『ファーストペンギン 楽天・三木谷浩史の挑戦』を手にした三田氏(右)。
撮影=田口沙織(以下同じ)



なぜ、今「ファーストペンギン」なのか

1月某日、『インベスターZ』作者の三田紀房(57)と、自身を題材とした本『ファーストペンギン 楽天・三木谷浩史の挑戦』(日本経済新聞出版社)が昨年11月に出版された楽天代表取締役・三木谷浩史(49)との対談が、品川シーサイドにそびえたつ楽天本社、その名も「楽天タワー」の一室で行われた。奇しくも同じころ「ファーストペンギン」という言葉を使い、新たなビジネスを切り開くことの重要性を説いた二人が、初めて出会った——。


三木谷 まず、この偶然には驚きましたね。私に取材した本(『ファーストペンギン 楽天・三木谷浩史の挑戦』)のタイトルにもなっている、「ファーストペンギン」という言葉が、ほとんど同じころに三田さんの漫画にも使われていたんですから。

三田 私も編集者から聞いてびっくりしました。とにかく絵に描きやすい用語ですから、登場させようと思いました。その後、この本が出ていることを知って、ぜひコラボさせていただけないか、と思いまして。こうしてお会いできて、うれしいですね。

三木谷 いえいえ、こちらこそ光栄です。

——三木谷さんは代表理事を務めている新経済連盟(※略称、新経連。日本の競争力強化を目指す企業の団体)の会合などでもたびたび、アントレプレナーシップ、つまり起業家精神について語っていますよね? ということは、日本には今、ファーストペンギンが必要だと考えていると思うんですが、それはなぜなんでしょうか。

三木谷 今の日本は、先人達が積み上げてきたものを、ひたすら食いつぶしている状況だと言っても過言ではありません。ファーストペンギンに合わせて例えるなら、ペンギンの足場である氷はどんどん小さくなっているんです。今まで儲かっていた業界の、テレビもパソコンも、もう儲からなくなってきた。かろうじて自動車は儲かっているかもしれないけど、それがいつまで続くかは分からない。だからファーストペンギンが必要というよりは、否応なしに飛び込まなくてはいけないと思っています。飛び込まないほうが安全という時代は終わったんです。



他人からはリスクを取っているように見えても……

——なるほど。では、どうやって飛び込んだらいいのか、その具体的なお話を伺おうと思います。考えてみれば、三木谷さんも三田さんも、ともに自らビジネスを作り上げたファーストペンギンだと言えるんじゃないでしょうか。三田さんは、どうやってリスクを取って、漫画家という世界に飛び込むことができたのでしょうか?

三田 まず、世間が思っているほど漫画家になるのは難しくないって、僕は思うんです。つまり、いいもの、クオリティの高い製品を出版社に収めれば、作品が雑誌に載って原稿料としてリターンが得られると僕は考えます。

——そうは言っても、なかなか「いい作品」を作るのはむずかしいのではないですか? 具体的には、どういう漫画が「いい作品」なのでしょうか。

三田 要するに対立と和解です。世の中にある面白いストーリーの9割以上は対立と和解なんですよ。表面上は、恋愛ドラマとか、スポーツものとか、カテゴリーはいろいろあるように見えますけど、実は作品の中でやっていることはみんな同じ。漫画界はすごく間口が広くて、出版社は面白ければ大抵のものは載せてくれますからね。とはいえみんな自分の描きたいものがありますから、どうしてもそういう基本のセオリーより、自分のやりたいことを優先してしまいがちなんですね。自分の描きたいものと、面白い漫画の「型」のようなものと折り合いをどうつけるかは難しいところです。でもとにかくチャンスがすごく多いのは事実だと思います。

三木谷 それは私も同感ですね。私が飛び込んだのは、「魚がたくさん泳いでいるのが見えたから」、というのに尽きますね。みんななんで飛び込まないんだろう、って思ってましたよ。1990年代にインターネットが普及し始めた時、誰もネットを使って商品を売り買いしようなんて思わなかった。だから、多くの人にはインターネットショッピングに手を出すことはかなりリスクのあることに思えたでしょう。でも、僕はインターネットがものすごい可能性を秘めているという確信があったから、ネットに不慣れな中小小売事業者でも簡単に参加できるモール型のネット通販の会社を作ろうと思い立ったんです。つまり楽天が創業時に目指して実現させたビジネスモデルは、例えるなら現在のYouTubeなんですね。かつては映像の受け手でしかなかった視聴者が「ユーチューバー」という発信者となって自由に動画をアップロードしていて、その中にはテレビ局に匹敵するほど影響力があると言われている人もいる。商品と動画の違いはありますが、楽天がやってきたことととてもよく似ていると思います。


日本で起業家が増えにくい理由

——しかし、日本では欧米に比べて、ビジネスを創ろうという人、特に起業しようという人はまだまだ少ないイメージがあります。

三田 日本は起業家に対するリスペクトが足りないと思うんですよ。僕はよくアメリカにメジャーリーグの試合を見に行くんですけど、たまに球団のOBがバックネット裏に見に来てる時があって、そうするとどこからともなくワーッと拍手が巻き起こるんですよね。もう1930年代くらいにプレーなさっていた、本当におじいちゃんなんですけど。そうやって、成功した人、頑張った人、努力した人をきちっとリスペクトする。そういうところがやっぱりアメリカ人にはあるんですよ。だから日本でも、成功した人をリスペクトするっていう意識がもっと浸透してほしいなって思いますよね。例えばメジャーリーグの球場って、屋外に有名な選手の銅像がいっぱい建っていたり、手形が飾ってあって、ファンが触ったりできるようになっているんですよ。日本だとそういうものを部屋の中に入れて、入場料とって見せるじゃないですか。日本ってそういうものの見せ方は下手ですよね。

三木谷 出資する投資家に関しても、悪いイメージが先行しがちですよね。日本で投資家といったら、何かルール違反をして罰せられた人なんかが真っ先に思い浮かぶ傾向にあると思います。

三田 この間、青色発光ダイオードの研究でノーベル賞をもらった中村修二教授のニュースを見て、「お前この研究やってみろ」って1億円出した日亜化学工業創業者の小川信雄さんが偉いんじゃないかと思ったんですよ。その会長を賞賛できるような姿勢が日本にあれば、投資家に対するリスペクトも高まって、ひいては起業家を増やすことにもなるのではないでしょうか。

三木谷 新経連のイベントにも総理や大臣にお越しいただくくらいですから、日本でも風向きは変わってきているとは思いますね。

三田 まず、起業家を見たことがないとか、身近に感じられない、っていうのが一番大きな要因ですよね。プロ野球がなんで発展したかって、みんなテレビで野球選手を見て、ああいう風になりたいと思って高校野球をやるからですよね。高校野球っていう土壌があるから、プロ野球を目指すっていう人たちがいる。じゃあ起業家ってどこにいるのか? 身近にいないから、若者たちは起業しようとはならない。もっとリアルに接する機会を増やして、「あ、起業家ってかっこいいな」っていう動機づけが必要です。やっぱりただ成功だ何だって言ったって、学生は実感ないわけじゃないですか。プロ野球選手へのあこがれと同じように、起業家にあこがれる土壌が欲しい、って思うんです。



ファーストペンギンとして泳ぎ続けるために

——一度ビジネスの海にファーストペンギンとして飛び込んでも、例えばサメに食べられたりして、脱落してしまう人は多いと思います。長く泳ぎ続けるにはどうすればよいのでしょうか。

三木谷 まずは、セカンドペンギンになることですよね。ファーストペンギンに続いてその人と同じ分野に飛び込んでみる。そのうち、先に泳いでいるファーストペンギンを見ながら、飛び込み方とか、泳ぎ方とか、逃げ方とかを身に着けていくのが良いのではないでしょうか。

——なるほど。まずは先駆者にくっついていけと。

三木谷 いや、いける人は最初から飛び込んだっていいんですよ。ビル・ゲイツにしろ何にしろ、いきなり飛び込んで成功した前例はたくさんあるわけだし。それに、アメリカなんかでよくあるのは、失敗してから企業に入るっていうこともあるんです。うちは起業で失敗した人をいっぱい雇ってます。特に外国人で、やったけどダメだったから楽天に入れてくれっていう人はいっぱいいます。

——なるほど。では漫画家はいかがですか?

三田 根本的には三木谷さんと同じ意見で、ファーストペンギンのそばに居るのが良いと思います。一人の先生にアシスタントさんっていうか、お弟子さんのようにしてつくということですね。師匠のやることを見てると、仕事の仕方とか、大体の勘がつかめたりするんですよ。それで、そのノウハウを大体つかんで漫画を描くんだけど、マンガの仕事ってたくさんあって、雑誌に載るだけがマンガじゃないんですね。ウェブとか、雑誌以外の媒体でものを描く人が求められた時、やっぱり一番有利なのは、大先生のアシスタントなんですよ。編集部は、長年付き合いがあればアシスタントを知ってますから、「先生には頼めないけど、君こういうのやらない?」っていうケースは結構多い。そこから大作家になった人もいますよ。

——なるほど。

三田 しっかりと、ファーストペンギンが大きな魚をたべたら、次の魚を食べるっていうふうに、そんなしたたかさを持っていれば、意外と生き残れるんじゃないでしょうか。あんまり自分というものを大事にしすぎて、そればっかり曲げないようにしているよりは、いろいろ加工する技術を持っている方が意外と生き続けられるかもしれません。

三木谷 そうですね。さらにそういう技術よりも何よりも、私たちの世代が今後、若い人たちが新しいことに挑戦しやすい社会、つまりペンギンたちが飛び込みやすい世の中を作っていかなければならないと感じています。そうすれば、氷がなくなっても、海に飛び込んで生きてゆこうとする人たちがたくさん日本に現れてくれると信じています。

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