【新人賞】 第66回ちばてつや賞、2次選考の議事録をWeb公開!

2015/01/15 00:00

ちばてつや賞] [新人賞

ちばてつや賞一般部門の2次選考は部内選考会です。

モーニング編集部員全員で議論を行います。その場で、自分の気に入った作品を最も熱を込めて説明した編集部員が、その新人作家の担当編集となります。

参加者全員の投票で上位となった作品が、最終選考へと進みます。


『コーラを飲んでも歯は溶けない。』
美輪多緒(愛知県・25歳)

☆2次選考通過作品
【ストーリー】 大介が住む団地の公衆電話が鳴り出した。かけてきたのは同じ団地の少女・ゆみ。さらに、奈緒と名乗る謎のお姉さんと知り合ったことで、「いい子」だった大介の生活は少しずつ変わっていく。

編集部員・A
僕が担当です。この方は『3.1415...』という作品で、第63回(2013年度前期)ちばてつや賞佳作をとっています。今回の応募作は打ち合わせをして作っています。
編集部員・B
電話のトリックが成立していなかったり、つっこみどころは満載だけど、絵の表情がものすごくよかった。誰よりもパターンがあって、力が飛び抜けている。もっと多くいっぱい描けるようになればデビューにいっきにいける予感がします。
モーニング編集長・島田
けど、以前の受賞作の方が評価が高かった印象だな。そのときの方が絵がうまい気がしたんだけど。
編集部員・A
時間がなかったからだと思います。
編集部員・C
けど、細かい粗をおし切れるくらい、今回の応募作のキャラクターの表情がよかったですよ。
事務局長・田渕
こういう表情って流行りなのかな。全力で笑うんじゃなく7割くらいで笑うっていう。
編集部員・C
たぶん読んでた漫画の影響なんですかね。でも、それにしても絵がうまいです。
事務局長・田渕
スクエアな美術的教育を受けている人?
編集部員・A
美術系の専門学校を出ています。
事務局長・田渕
コマ割りもいいし、地力がある方ですよね。


『青き息』
松野雄作(埼玉県・23歳)

【ストーリー】 中学時代、目の前で彼女に自殺された過去を持つ厭世的な高校生が、新たな一歩を踏み出すまでを描いた青春譚。

編集部員・D
話も絵もまだまだだとは思います。だけど、漫画すごく好きなんだろうっていう気持ちが伝わってくる。そこに伸びしろを感じました。
編集部員・E
現状は未熟だけど熱量がある。色んな経験積めば、面白い方向に化けそうだなと思いました。
編集部員・F
話に予想外な点はなかったし、かなりセリフが多かった。けどセリフの位置とか工夫されてて、意外と読みやすかったんですよね。力はある方なのかもって思いました。
編集部員・G
けど延々と主人公のモノローグなのはどうなのかな?
編集部員・B
エンタメ志向になれるか否かが、この方にとっての勝負所だと思います。


『私なりの解釈』
谷口千昴(岡山県・25歳)

【ストーリー】 立花真砂子は、とある特殊能力を持った通訳士。ある日、その能力を買われCIAに仕事を依頼される。通訳対象は、地球上に存在するどの言語とも異なるものを話す者。つまり……。

編集部員・F
僕が担当です。第35回MANGA OPEN(2014年)にて『サンタが父で何が悪い』で奨励賞を受賞した方です。今回初めてトーンを使ってもらいました。絵柄が課題でもあるので、少しずつでもメジャー感な方向性にしていきたいなと。話は相変わらず視点が独特で面白かったんじゃないかなと。
編集部員・H
この方を圧倒的に支持しています。表現しようとしている世界の捉え方が、非常に独創的で、色々な事象を大きなテーマとして捉えようとしている印象がすごくよかったです。
編集部員・I
今までで一番読みやすかったですよ。ややこしい設定の部分も、すっと読めた。どうまとめるのかなと途中かなりドキドキしていたら、きちんとまとまってて驚きました。外国のSF短編のような読み口がよかったです。
編集部員・J
う~ん、お話がうまいだけに、やっぱり絵柄的な部分がどうかな……。
モーニング編集長・島田
話の骨格はすごくいい。けど絵柄がな……。上手とか下手とかではなく、絵柄が商業誌として、受け入れられるかどうか……。表情とかはよかったんだけどな。
事務局長・田渕
絵柄を色々試してみることは必須なのかもしれませんね。


『がんばれ!マジカルセントプリティーバニー』
木下恵(※恵は旧字)(栃木県・21歳)

☆2次選考通過作品
【ストーリー】 怪人達から地球の平和を守ったヒーロー達は、怪人達がいなくなった後、やることがなくやさぐれていた。そしてもう一度、怪人達が現れてくれることを夢見ている。

編集部員・H
キャラクターに華がありますよね。絵のタッチもいいですし、キャラの登場などにも工夫がされていて、サービス精神を感じました。そういう意識って大事だなと。
編集部員・E
担当希望です。この方は天才だと思います! キャラクターの線から、もう、感情が伝わってくる。粗削りだけど読ませる力があります。
編集部員・K
極端なことを言うと、セリフを読まなくても、主人公の女の子の表情だけで、どんな話か伝わってくるくらいよかった。感情だけで一気に読ませちゃうしコマ割りもいいですね。
編集部員・J
僕も担当希望です。今回の中で一番絵がうまくなりそうな気がしました。今回の話は、今流行のヒーローものだけど、1年くらい経ったらメジャー感のあるものを描ける気がする。将来性かなりありますよ!
編集部員・H
評価はしているんですが、キャラの造形が何か模倣のような気がしました。その点はいかがでしょうか。
モーニング編集長・島田
いや、最初は誰でも模倣から始まるんだよ。
編集部員・J
仕上げとか粗かったり問題点はあるけど、かなりいい。コマ割りとかキャラの動きとか工夫してて一生懸命さが伝わってくる。自分の今持ってる精一杯の技術で作画してるのがすごく印象がよかったです。


『メガネスポーツ』
玉田曜(神奈川県・26歳)

☆2次選考通過作品
【ストーリー】 メガネでスポーツ競技者のみなさん、こんなことはありませんか? 高校野球部に入ったメガネの根甕君と共に一つずつレッツ・チェック! メガネだってスポーツできる!

編集部員・G
僕が担当です。第36回MANGA OPEN(2014年)で『パンツのはき方』という作品で、2次選考まで通過した方です。会った時には、今回の応募作はほぼ完成していました。もう少し面白さを詰め込めたらよかったかなとは思ったんですが、前作よりは万人受けするかなと。
編集部員・L
なるほど、『パンツのはき方』の方だったんですね。今回の作品も僕はすごく評価しているんですが、その方だと思うと、次のステップとして、もっとネタをぎゅうぎゅう詰めにしてほしかった。さらなる高みを目指してほしいです。
編集部員・M
僕も支持しているんですが、ちょっと長かったかな。おなかいっぱいな感じがあった。短くしたらもっとよかったんじゃないかな。
モーニング編集長・島田
いや、けど、もしかしたら「もういいよ」って思わせるくらいなものが、今の若い子にはうけるのかもね。
編集部員・A
僕はメガネをしているんですが、メガネしてスポーツしている人の感覚が、作者はすごくわかっていると思いました。
編集部員・Z
かなり面白かったです。メガネから毛がファサッとはえた1コマに心を奪われました。絵柄も好感持てますし、この方のノリもいいですよね。
事務局長・田渕
少年誌ジャンルに親しんでる人?
編集部員・G
うすた京介さんとか、増田こうすけさんの『ギャグマンガ日和』とか好きみたいですね。
事務局長・田渕
運動しているシーンの集中線の入れ方とかうまいですよ。
編集部員・B
あと、キャラがいいので、主人公がファインプレーしてもヘボしても何やっても面白い。たいしたことやらなくても、笑いがとれる。それと野球とかグランドの質感がすごいいい。この方に、「野球」っていう題材が相性いいのかもしれませんね。


『森の色』
井上尚紀(大阪府・22歳)

【ストーリー】 普通の男子中学生・津村は、同級生・新田香奈の絵を偶然見たことから美術に興味をもつ。美術部に顔を出したり、絵を描きに行くのに同行したりと二人の距離は近づいていくが……。

編集部員・C
なんてことのない話なんだけれども、会話や絵の雰囲気がとてもよく、独特のリアリティを感じる作品ですね。
編集部員・N
五十嵐大介さんの『リトルフォレスト』を彷彿とさせる絵が魅力的でした。細部まで丁寧に描き込まれていて、絵に対する情熱が伝わってきました。
編集部員・G
いい顔・表情を描く人ですよね。ただラストが物足りなかったのが残念。女の子が彼の気持ちを拒否する部分などが分かりづらい。文字に頼らず、絵で表現しようとする気概は高く評価したいです。
編集部員・O
さわやかな作風ですね。これからの作家さんという印象を受けました。どのようなストーリーを描きたいのかポイントを絞り込んで、次の作品に挑戦して欲しいですね。


『榊山高校☆ダイエット部』
今村美紀(広島県・24歳)

☆2次選考通過作品
【ストーリー】 広島の片田舎の高校に、突如発足したダイエット部。幼なじみを痩せさせようとする女子部長の努力の裏には、秘められし大いなる野望があったのだ!

編集部員・P
僕が担当です。ネームコンペのために描いたものを、急遽ちば賞に出そうということになり、少ない日数で頑張って原稿を完成させてくれました。本人には、「あなたは描けば描くほど上手くなるはずだから」という話をしていて、参考に『Dr.スランプ』の単行本を送ってみたら、如実に影響が出たという(笑)
一同
(笑)
編集部員・P
「前の原稿よりは上手くなったと思わせてくださいね」という話もしていて、実際上手くなったのではないかと思います。
編集部員・H
私は、以前MANGA OPENに出していた『だぼっと。』(2014年・第36回2次選考落ち)から大絶賛していて、絶対雑誌に載せるべきだと思っています。一読者として、とにかく早く世に出てほしいな、と思います。
モーニング編集長・島田
そこまで思うのはどうして? なんでそこまで世に出てほしいと思うの?
編集部員・H
見ていて感激するし、感動もしますし。
モーニング編集長・島田
ストーリー的なこと?
編集部員・H
いや、ストーリーではなくて、キャラの存在感ですね。私は『Dr.スランプ』が大好きなんですが、あの作品と一緒で、要は見ていて幸せになれる、というか。
モーニング編集長・島田
『Dr.スランプ』って、一撃でものすごいオリジナリティがあったじゃない。この人、そういうのあるのかな? 俺、この類の作品は、よくわからないんだよ。
編集部員・P
キャラを見た時に感じる、ものすごい天真爛漫さ、みたいなものは、この人にしか描けないものなんだろうな、と思います。この人にしか出せない抜け感、というか。
編集部員・H
私の短絡的な考えだと、「モーニング」読者にはサラリーマンが多いじゃないですか。主人公がサラリーマンとダイエットをすればいいんじゃないですかね。
モーニング編集長・島田
いや、「モーニング」は『鬼灯の冷徹』がちゃんと人気を取れる雑誌だから、必ずしもサラリーマンが出てこなくてもサラリーマンに受けることは可能。
事務局長・田渕
でも『鬼灯』は、鬼灯が中間管理職で、一応組織の話じゃないですか。
モーニング編集長・島田
『鬼灯』を「サラリーマンもの」でくくるか(笑)
事務局長・田渕
ちゃんと地獄という機構があって、それを運営していく話ですからね。
モーニング編集長・島田
確かに言われてみれば『鬼灯』って、その説を採用してもいいけど、なんだかよくわからないラインで「モーニング」の読者と繋がっている気がするんだよ。この作品に躊躇する理由はそこだよね。あまりに雑誌に接点がないな、という気がした。
事務局長・田渕
これが「モーニング」に載ってると、「『モーニング』も日和ったか」と言われる可能性がある気はします。
モーニング編集長・島田
どうなんだろうね。まあ、このまま載せたらそう思われるかもしれない。でも、「なるほどこれならわかるな」と読者に思わせるのが、接点、ということだよね。今のままだと、それが足りない気がするな。
編集部員・Q
健康問題とか扱えばいいんですかね? この男の子が糖尿病だとか。
事務局長・田渕
ダイエットしないと死んじゃう、とか。
編集部員・Q
でも、3人のキャラクターがそれぞれちゃんと可愛らしいですよね。この毒にも薬にもならない感じが、すごく今っぽいというか。
事務局長・田渕
毒にも薬にもならないけれどずっと読んでいたい、という漫画の需要は、確実にありますよね。意見もたくさん出ましたし、これは残りそうですね。


『あみちゃんが死んじゃった』
川松冬花(東京都・22歳)

【ストーリー】 才色兼備な姉・あみが死んだ。常に完璧な姉と比較され、劣等感に苛まれ続けてきた妹のみほは、素直に姉の死を悲しむことができずにいた。そんな時、姉の隠された秘密が明らかになる……。

編集部員・S
この方は、持ち込みの際に萩尾望都さんが大好きということで意気投合し、作品もとても魅力的だったので、担当になりました。その時に持ってきてくれた2本のうちの1本が、この作品です。漫画を描き始めてまだ1年くらいですし、若い方なので、ものすごく可能性があるんじゃないかな、と思っています。
編集部員・R
まあ、よくある話だけど、22歳の子が作ったにしてはちゃんとできているな、と思いましたね。
編集部員・F
主人公がお姉ちゃんのように髪の毛を伸ばして、優しく落ち着いた表情になっている、というラストが、絵柄のせいかわからないけど、すごく怖い話だ、と思えてしまったんですよ。ほのぼのしたいい話だと思って読んでいたのに、ラスト、実は本当は怖い話だった、みたいな感じがして。僕だけかもしれないですけど、どうなんだろ……。そのせいで、気持ちが悪い話だったな、という印象になってしまったんですよね。
事務局長・田渕
意図的に不気味にしようとしたのか、そうなってしまったのか、どっちだったんだろう。
編集部員・S
そんな意図はまったくなかったと思います。
事務局長・田渕
可愛い顔もしっかり描ける人ですね。描き始めて日の浅い人が、ここまで仕上げられるってのはデジタルツールの力はすごい。
編集部員・P
絵はあんまりですけど、感情の持っていき方はいいなと思いました。話が予定調和だなとは思ったんです。でも予定調和に行く話なんだけど、感情のひだを上手く描いている感じがあったので、そこは評価できると思います。ただ、やっぱり絵がちょっと……。主人公が不細工という設定ではありますが、やっぱり絵はもう少し頑張ったほうがいいのでは。


『孤猫物語 竜馬はいく』
小山田幸男(千葉県・40歳)

【ストーリー】 街中を歩く猫たちは、人の知らぬところで「忍び」として熾烈な殺し合いを繰り広げている。主人公の竜馬は「抜け忍」となり、あらゆる猫たちから追われる存在。ある日、彼を狩りに来たのは、親友の総司だった。

編集部員・P
この方は、「モーニング」で描いている作家さんのアシスタントさんです。
編集部員・Q
僕は評価が高くて、大分笑ったんですよ。あわよくば担当を、と思っていたんですが、年齢が気になりますね……。
編集部員・D
40歳か……でも、私は担当希望です。アクションシーンを描ける人って、あまり「モーニング」の新人賞には送ってきてくれない気がするんですよ。叙情的だったり、静かな漫画が多いなかで、こういうアクションシーンを描いてきて、設定もきちんと作ろうとしている点を、私は評価します。必殺技名に「松尾芭掌」とか「枕草死」とか出しちゃうあざとい感じも、開き直ってて私は好感を持ちました。この人に会ってみたいです。
事務局長・田渕
確かに、こういうアクションシーンの技法とか、特に青年漫画だと、失われつつある伝統芸能、みたいなところはあるもんね。
編集部員・D
はい。必殺技を一枚絵でどーんと見せる演出とか、意外と見ないと思います。
編集部員・Z
ただ、話が面白くないですよね。「抜け忍」になった主人公の悲哀とかが、まったく描かれていない。彼らの生き死にに、興味が持てないんですよ。そういう部分を少しも描かず、アクションだけで見せるという方法もありますが、これはその域には達していないと思います。
事務局長・田渕
確かに。では、この人には別の作品を描いてもらって、ぜひ再チャレンジしてもらいましょう。


『間違い』
仁禮健太(福岡県・24歳)

【ストーリー】 うさぎの世話係に立候補したユキは、クラスの女子達に優等生ぶっているといじめられるようになる。白石は、それが自分のせいだと気に病み、密かに彼女を気遣うように。でもユキには実は、秘密の相談相手がいて……。

事務局長・田渕
主人公がうさぎを好きな理由が怖いですね。でもよくあるタイプの話ながら、構成はちゃんと考えて練られている。違う人が描くと、いかにも「頭で考えただろ」って話になりそうなんだけど、「あっ、これはリアルに起こっていることなんだ」と思わせてくれるのは、才能なのかなと思います。
編集部員・S
担当希望です。この作品自体は、話が中途半端なんで、そんなに評価していないんですけど、でも、ものすごく極端な表現ができる人だな、と思いました。演出が上手いんですかね。実際はたいした事じゃなくても、ものすごいとんでもないことが起こった、みたいな描き方ができている。担当がついてストーリーを整えることさえできれば、いい作品を描ける方だと思います。
編集部員・T
私も担当希望です。この話自体は、とにかく胸くそ悪いし嫌だなと思ったんですが、そこまで不快にさせられるのは、上手い方なんだと思います。男性が描いたんだ、というところにもびっくりして。女性がこういう話を描くのは、よくありそうだなと思うんですが、男性が描くのは珍しい気がします。あと冒頭の、フンの始末についての話が出た途端、教室が静まり返る、というシーンがやたらリアルで上手かった。ものすごく才能のある方だと思います。
事務局長・田渕
この人は、安達哲さんみたいになれるといいかな、って感じがするよね。
編集部員・K
第3希望で担当したい作品です。扉と、最後のうさぎを苦しめている絵、そこだけでOKだな、みたいな。話の中身はそんなに覚えていないんですけど、そのふたつはものすごく印象に残っているんで、それはすごいことだなと思います。だから担当したいんですけど、でも第3希望です(笑)
事務局長・田渕
この作品自体の評価はあまり高くないけど、才能に期待する人は多い、ということかな。担当がついた次回作で、賞を狙ってもらいましょう。


『夏時雨』
藤原ヒロツグ(東京都・21歳)

【ストーリー】 娘を失くして、荒れた生活をしていた主人公は、ネットの相談ページで父親を亡くした女の子の相談に乗ったことがきっかけで、夏祭りに出かけ……。

編集部員・O
私が担当になって最初の作品です。まだ話も絵も不器用なんですが、逆にそこが魅力ですね。
編集部員・H
企画意図が明快なので、この人は非常に力があるんじゃないかなと思いました。
事務局長・田渕
今は絵があっさりしすぎているけども、個性がこのあと出てくるといいのかもしれないですね。
編集部員・S
お話も面白くなりそうだなと思ったんですが、ただ、途中で視点が父親から娘に変わってしまうところがすごく勿体なかったです。どっちに感情移入したらいいのかわからなくなってしまって。読者をまず感情移入させるということから考えたほうがいいんじゃないでしょうか。
モーニング編集長・島田
この作品もそうだけど、少しファンタジーで、誰かが実は死んでいて、ちょっとホロリとさせるという話が多い。それはやめたほうがいいかもしれないな。この3点は飛び道具みたいなもので、これだけでうまく話がまとまってしまうから、地力がわからなくなるんだ。


『みどりの公園』
町田翠(東京都・24歳)

☆2次選考通過作品
【ストーリー】 綺麗な指輪を拾った——。早月は指輪を学校にしていくが、ある男子生徒に「母が失くした指輪なので返して」と頼まれる。返却の条件として早月が提示したのは……!?

編集部員・T
これは、話はまったくわからなかったんですが、絵がものすごく上手いですね。担当を希望したいです。
編集部員・U
僕も担当希望です。話は他愛ないですが、今回の応募作の中では一番キャラや絵がよかったです。
編集部員・P
僕も担当希望なんですが、お話の導入が魅力的で、これがどういう物語になるのかを謎めいて語らせているのがいいですね。コマもよく見るといろんなところで演出がきいていて、読んでいてすごくいい話だと思いました。ただ、ご都合的な展開も見えるので、そこはもう少しスッキリさせたほうがいいと思います。
編集部員・J
こんな話ですよって初っ端に説明するのがうまいし、ちゃんと考えて話をつくっているんだけど、たぶん最後のほうは息切れしたんですね。ちゃんと担当がついて、ネームをしっかり切れば、この子はいけるんじゃないかなと思いました。
編集部員・V
台詞に頼らず、絵やシチュエーションだけで情報とか心情とかを描いてるのが、すごくいいですね。
モーニング・ツー編集チーフ・三村
絵に関しても、顔以外は練習したほうがいいところがあるなと思いますが、きっともっとうまくなるだろうと期待しています。


『WAKE ME UP!』
呉昕庭(ゴシィンティン)(京都府・22歳)

※お名前を「透村」から変更しました。
☆2次選考通過作品
【ストーリー】 足の速い聖は、日々、あちこち走り回っている。1年前に他界した母と約束した、300人分の使い走りをするためだ。達成すると、母からプレゼントが届くというのだが……!?

編集部員・B
この方は前回のちば賞で、『はなぢの思い』という作品で奨励賞を受賞された人です。はじめは20ページくらいのネームが出てきたんですが、こぢんまりとして窮屈な作りになっていたんです。この方の持ち味は、勢いのあるキャラクターと暑苦しいまでの熱気で押していくところですから、ページを気にしなくてよいのでどこまで全力疾走で描けるのか挑戦してみてください、というリクエストでできた作品です。
編集部員・K
話は冗長かなと思ったんですが、躍動感がある絵や構図でそれを感じさせませんでした。表情を描き分けられているのもいいですね。
編集部員・W
パシリをやりきってプレゼントがもらえて終わりかと思ったら、実はその先でさらに話が展開していく。その切り替わりがいいなと思いました。絵にも勢いがあって最後まで読まされます。
モーニング編集長・島田
ただ、モーニングにしては少し少年漫画っぽいね。


『RE START』
宮﨑桃奈(埼玉県・16歳)

【ストーリー】 勤めていた会社をリストラされた主人公・奈良。再就職もうまくいかず、疲れ果てた彼は一軒のバーにたどり着く——。

編集部員・J
16歳の女の子がこんな漫画を描くのかと(笑)
編集部員・G
16歳が描く話じゃないでしょう。16歳でこれだけ描けるなら大したものです。
編集部員・J
人生の折り返しにたどり着いた人が描くような作品を描いてるあたり、この子は「ものをつくる」ということを頑張れるのかな、と感じました。
編集部員・N
僕、主人公が「たーのしーい」って言っているコマの絵がすごく好きで。本当に楽しんで描いてるんだなあと。
編集部員・A
話も絵も受賞レベルではないですが、情熱はある。まだまだ若いし、これからが楽しみです。
事務局長・田渕
PVやCMで評価され映画監督になった人もたくさんいるからね。この作品は30秒のTVCMや、拡散されるネット動画のクオリティはある。それはやっぱり才能だと思います。


『路地裏露店へようこそ!』
神山實(東京都・28歳)

【ストーリー】 サラリーマンの小さな夢を叶えてくれる不思議なグッズを扱う伝説の露天商。男たちは「モテたい願望」から疑いながらもそれを試し、まさかの効果に驚き、浮かれ、そして……。

編集部員・O
僕が担当です。毎週、ネームを持ってくるくらいすごく熱心な方です。今回の作品はちょっと古いかなという印象はあるけど、結構笑えるものも多くて、応募することにしました。もう一皮むけたら、いいなとも思っています。
編集部員・J
30代男性部員に局地的に人気ありますよね(笑)
編集部員・Q
下ネタが、嫌な感じの下ネタじゃないのがいいですよね。
編集部員・G
すごく面白かったです。ただ、もうちょい破壊力があるといいなと。
編集部員・J
アベレージ高いですよね。外れネタがなかった。ただ、どう商品にしてくかが、ちょっと想像しづらかったかな。
モーニング編集長・島田
ショートだからこそ、絵柄にもっと特徴がほしい。絵柄がつまらない。やってるネタはいいけど、何かまじめすぎな気がする。
事務局長・田渕
笑える「ふら」がないのかもしれませんね。
モーニング編集長・島田
ああ〜そうかもなあ。下手でもいいから、「ふら」があったらよかった。
編集部員・D
面白かったんですけど、露店の店主のキャラクターデザインが、作者のオリジナル性がなくて残念でした。
モーニング・ツー編集チーフ・三村
エロネタでおしてるけど飽きてきちゃうかな。企画としてはありだけど、これだけ力がある方なんだから、内容をもう一粘りしたほうがいいと思いました。


『ヲタヤン小林』
大内優(東京都・30歳)

☆2次選考通過作品
【ストーリー】 吹奏楽部でヘタクソなトランペットを必死に吹きまくるリーゼントのヤンキー小林。彼がヤンキーらしからぬ楽器に明け暮れるのには、もっとヤンキーらしからぬ深い理由があった…!

編集部員・S
僕が担当です。美術系の大学を出られていて、今はイラストレーターのお仕事をされています。今回の応募作は、起承転結をかなり意識して作ってもらいました。
モーニング・ツー編集チーフ・三村
キャラも楽しくて、主人公の男の子が元気なのもいい。もう一つインパクトがあれば売れる可能性があると思いました。
編集部員・J
僕もかなり面白かったんだけど、1点だけ。実在のゲーム音楽使えばよかったのでは?
編集部員・V
そうなんですよね、その方が頭の中で想像できて面白かったかなって。架空の曲だと、それ自体が面白くなきゃだめだからハードルが上がるんだよね。けど、僕は評価しています。読んでいる人を笑わせようとする作者の気合が、一番伝わって来る作品だった。
事務局長・田渕
面白かったけど△(※編集部では「◎・○・△・×」の4段階評価で選考しています)という評価にしたのは、フレッシュ感を感じなかったから絵を描き慣れた人が、ウケを狙っている感じがした。悪いってわけじゃないんだけどね。
編集部員・J
この方って、今はイラストレーターだけど、漫画家になりたいんですよね?
編集部員・S
漫画家を目指しているけど、まだ軌道にのってないから、イラストレーターをしているという感じです。
編集部員・H
展開もはやいし、どんどん意表をついて笑わせようとしている。プロ精神に徹しているのがよかったです。けど、ヤンキーという設定が、普遍性を持って売れていくのかが興味がありますね。
モーニング編集長・島田
う~ん、ヤンキーって売れないんじゃないかなあ。けど、作品としてはかなり評価しているよ。「キャラクターを作ろうとしている」「漫画家になろうと本能でしている」ことを感じたよ。


『JOY』
天野史朗(千葉県・32歳)

【ストーリー】 剣術道場の跡取りとして生まれた清水清次は、いかに生きるべきか悩んでいた。しかし剣術修行で道場を訪れた高杉晋作との出会いが、清水の人生を大きく動かしてゆく…。

編集部員・C
僕が担当です。『グリーングリーン』という作品で、第65回(2014年度前期)ちばてつや賞奨励賞を受賞した方です。
編集部員・S
最初、読みづらいのではないかと思いましたが、非常に読みやすく面白かった。タイトルのセンスもいいですよね。
編集部員・X
ちゃんと読める歴史ものというのは珍しい。細部まで目配りが行き届いていてスゴイと思った。面白い! ただこの絵はどうなんだろうか……上手い人なのは間違いないのだけど一般に受けいれられるかどうか疑問です。
編集部員・U
絵が上手すぎて描き飛ばしているのか、粗く感じるところがありました。これだけの実力があれば、もっと演出などにこだわって描くことが出来るはずです。
モーニング編集長・島田
前作に比べ、今回は目が止まる絵がなかったかな。一度、普通にトーンを使って描いてもらいたいね。


『グーゴルの指先』
鴎山十生(東京都・29歳)

【ストーリー】 エイリアンと戦い続ける人類は、戦略コンピューター『グーゴル』に全軍事指揮権を委譲した。超能力者・アーティはグーゴルの指揮下で戦い、英雄となっていくのだが…!?

編集部員・C
僕が担当です。持ち込みで受けた作品です。世界観が作れる方でとても可能性を感じています。
編集部員・X
話はめちゃくちゃ面白いと思った。グーゴルのキャラクターがとてもいいし、ルール設定もしっかりしている。この作者はSFの神様に愛されているね(笑)
事務局長・田渕
グーゴルさんの立ち位置がいい。人間ではないけども『寄生獣』のミギー的なキャラクターとして成立している。
編集部員・G
とても面白いのだけれど、何が起きているのかわからないシーンが多いのがもったいない。特にアクションシーン。絵やコマ割りを改善してほしいですね。
編集部員・X
アイデアや世界観を漫画に落とし込むところで非常に苦戦している印象です。作画担当やネーム担当を探すなどして、誰かと組むことも視野に入れてみてはどうでしょうか。


『この広い様でせまい世界で。』
片渕芹香(千葉県・23歳)

☆2次選考通過作品
【ストーリー】 母親に捨てられたあきらは、おネエのおじさん・しげるに引き取られ、熊本の温泉街で暮らすことになった。慣れない環境での新生活だったが、二人は心を通わせてゆく……。

編集部員・C
僕が担当です。この方はもともと少年漫画を描いていて、色々なものが描きたいということで青年誌に投稿してきてくれました。
編集部員・M
とても読みやすくていい話でしたね。雷を怖がる、という普通の子供らしさではなく、もうすこし違うアイデアがあればさらに良かったと思います。
編集部員・D
とにかく漫画の上手い人だなと。キャラクターを作ろうとしているのも伝わってきて好感を持ちました。ただ読み切りでやる話ではないな、と(笑)。起承転結の承までしか描いていない印象でした。
編集部員・A
設定を活かしきれていないですよね。おじさんがゲイである必然性もあまりなく残念でした。小さくまとまらず、もっと読む人の感情を揺さぶる話を描いてほしいですね。


『不思議なゆりこさん』
木村享平(愛知県・28歳)

☆2次選考通過作品
【ストーリー】 女子高生のネミミは友達が少ない(多分)が、ゆりことは大の仲良し。しかしゆりこは、少しどころかかなり変わった謎の多い子で、ネミミは今日も退屈しないのだった……。

編集部員・Y
担当希望です。すごく面白かったです。
モーニング編集長・島田
う~ん、キャラクターを作ろうとはしているけど、企画が弱いかな。何か、お話がインテリすぎる気がする。
モーニング・ツー編集チーフ・三村
そうなんですよね、キャラはいいと思ったけど、なんとなくの面白さなんだよね。センスはあると思います。
事務局長・田渕
なんとなく面白い雰囲気作れているのは力があるのでは?
編集部員・O
この方を担当希望するくらい評価しているんですが、お話にしっかりとオチがついてない……あえてオチをつけてないのかわからないんですが、それがこの方のウイークポイントなのかもしれませんね。
編集部員・T
私も担当希望なんですが、キャラが強かったですよね。
編集部員・S
僕も担当希望です。めくりをかなり意識しているし、ページをめくれば期待以上の展開があった。
編集部員・H
めちゃくちゃ面白くてキャラがよかったです。計算じゃなく面白いもの描ける才能があると思いました。


『台風一家』
西山貴史(東京都・27歳)

☆2次選考通過作品
【ストーリー】 大型の台風目の中に閉じ込められたソウスケとミユ。二人以外誰一人と存在せず外界とも接触できない世界でも二人三脚で乗り越えていくのだが……。愛に溢れる家族の物語。

事務局長・田渕
この作品は人気高いよね。作者は今はアシスタントさんをされているみたいですね。
モーニング編集長・島田
最近この手の話は増えたなあ。ファンタジーで、じつは死んでるっていう(笑)
モーニング・ツー編集チーフ・三村
話自体は普通の話なんですけど、ただ演出が上手いなと思った。キャラの気持ちがしっかり届くんですよ。アシスタントさんやっていると背景はけっこう上手いんだけどキャラが魅力ないとかになりがちなんだけど、キャラがけっこう可愛らしい。ストーリーに広がりのある企画を見つけられたら、連載の可能性があるんじゃないかな。
編集部員・F
確かによくある話。でもよく出来ている。演出が素晴らしい。シーンとシーンの繋ぎ目がすごく凝っていて、台風で車が巻き上げられた後、場面が変わって空にむかって視点を移して鳥を映したり、焼き鳥食いてえなとボヤいてたら、その後、空から鳥が降ってきたり、その2年後にもその焼き鳥を食べて生活をしてるとか。あと要所要所の人物の表情がすごいいい。人物の感情が伝わってくる絵を描けている。
編集部員・K
後半になるにつれてグイグイ引き込まれていく。小さい演出が上手いので、細かいところまで考えて描く人なのかなと思った。トラックで押し出すラストシーンは一緒に応援したくなるぐらい気持ちが持っていかれた。
編集部員・E
絵柄がいいなと思った。具体性のある、例えば職業モノなどの企画があれば万人受けする感じがする。


『いがぐりの恋』
石田純平(神奈川県・38歳)

☆2次選考通過作品
【ストーリー】 あこがれの同級生と同じ高校に行きたいと、猛勉強に励む「いがぐり」。念願かなって志望校に合格したものの、やっぱり待ってた「ほろ苦い真実」。半歩、男に近づく少年の物語。

事務局長・田渕
これも編集部内では評価が高かったのかな。
編集部員・T
この人、昔「モーニング」に載ったことありますよね?
編集部員・L
当時、僕が担当してまして、2001年か2002年にMANGAOPENに投稿して受賞して、そのあと一度ちば賞にも応募して受賞してるんですね。最初のは『迷娘』っていうタイトルのサイレントの短い作品ですごく上手かったんですよ。小さい女の子がピエロに夢中になってフラフラってそっちに行ちゃって、迷子になって遊園地を彷徨って、お母さんが見つかって、よかったという話です。絵がうまくて難しい題材も描ける人で、打ち合わせが楽しかったんですけどね。なかなか僕も企画出せなかったので、そのうち接触がなくなった。
事務局長・田渕
なんとなく憶えているかな。
編集部員・L
可愛らしい女の子や人物で日常の出来事を描きながら、ちょっとしたところが陰惨になることがあったんですね。ちば賞を受賞した作品には、なんでラストがこんな心ないものになるんだってちば先生が言ったんです。
編集部員・H
その話は、少女が傷つくんですか?
編集部員・L
いや、身寄りのない女の子が、中年男性の家に行って、その男に女の人ができそうになって、なんとなく傷ついてまた家を出てしまうっていう話。ちっちゃな動きだけの話なんですけど、別にそんな酷いことされてないんですよ。だから当時(先生の評が)意外で。
事務局長・田渕
まあ読者を引っ張り込む力はあるから、ちば先生はとても可哀そうと感じたんだね。これだってどうってことない話だけど、最後まで読めちゃうもん。
編集部員・H
絵がとにかく魅力的で、まあ題材はあまりよかったとは思わなかったけど、瞳であったり、人を引き付ける表情だったりとか、僕自身涙もろくて弱いので揺さぶられちゃう(笑)。でも確かに企画が必要なのかな。メジャーにいけるようなラブストーリーが見てみたい。
事務局長・田渕
原作つきも可能性あるのでは。画面構成とか表情だけでなんでもない話をこれだけひっぱれるんだから、いわゆる「良くできた」プロットに、ちゃんと息吹を吹き込める人だと思う。
編集部員・P
女の子の絵に関してはこの人はすごいなあと。ちゃんと商品になるものだと思う。ただ話がなにもなさすぎるから、原作なのかなんなのか。僕が考えてたのは、そういう絵なんだけど内面が違う女の人を描いたらいいんじゃないかと思っていたんですけど。でも昔はちょっと複雑な話を描いていたみたいなので、今はあえてシンプルにしてるのかも。どうなんだろう。
事務局長・田渕
ちょうどいい塩梅に落ち着けばいいよね。
編集部員・P
あとは年齢ですかね。ただ、1次選考会のときから一番いいなあと思いました。


『ドリンク ライク ア フィッシュ』
むつき潤(兵庫県・22歳)

【ストーリー】 「其処の紅茶」を偏愛する美大生・梅木のぼるは写真科に進んだが撮りたいものが見つからずにいた。だが偶然出会ったゴスロリ少女に惹かれたことから、心境に変化が現れ……!?

編集部員・C
この人は1年前、映画を撮る女の子の話でちば賞佳作をとっています。現在、大学生で映画を撮っています。新作が完成したので再び応募しました。
編集部員・K
セリフ回しが洒落てるなあと思った。紅茶のお風呂に入るラストも考えつかなかったです。シーンとしても「ナウい」と思いました。
編集部員・P
ヒロインがすごくよかった。こういう外見で方言を喋らせて、台詞もイイカンジで効いてる。
編集部員・O
出だしの雰囲気はよかったし、二人の出会いもよかったのに、ラストがわからなかったのが残念です。
編集部員・J
最後のシーンって、時間が巻き戻って2人が出会ったところになってるんだよね? 最後に全然違う漫画が入ってきた印象がある。全体的に雰囲気で話を進めすぎかなと。女の子が最後に自分から来ちゃうってのが、主人公に対して甘い展開だなと思った。
編集部員・T
撮影のシーンをちゃんと描かなかったのがもったいない。そこが読みたいのに(苦笑)。二人の先の話を読みたかった。あと1Pでもあればよかったのにと思いました。


『泣き虫とうさん』
サイ(埼玉県・48歳)

☆2次選考通過作品
【ストーリー】 まもなく大学進学のため故郷・札幌を発つ主人公。彼女も一緒で前途洋々のはずが、心配事が消えない。それは頼りない父親のこと。そして父と二人で残される母親のことだった。

事務局長・田渕
僕が担当です。この方は2014年・第35回MANGA OPENで『海より孤独』(2次選考まで通過)というネーム原作を送ってくれた人です。今回の話は、作家さんがネームを持ってきてくれた中で、面白いなと思ったもの。そこから、わかりやすくする構成など打ち合わせしました。特にお父さんのキャラクターについては慎重に話し合いました。
モーニング編集長・島田
この方は、俺と同い年だ。今までどこかで描いてたの?
事務局長・田渕
MANGA OPENと、「フラワーズ」で努力賞、「ウィングス」で期待賞1回。
モーニング編集長・島田
今回2次全体の印象として、絵の技術があると話が甘いし、話がしっかりしてると技術が甘い作品が多かった。俺はファンタジーで人が死んでホロリ、いいお話だね、みたいなのはいやなのよ。それでいくと『泣き虫とうさん』は面白いですよ。今まで描かれなかったけど、こういうお父さんはいるだろうなって思わせた。
事務局長・田渕
48歳なのに絵がめっちゃ伸びてる。どんどん今どきの絵になってきてるんですよ。人の成長期ってわからないものですね。
編集部員・E
絵が瑞々しくて、柔らかい。
編集部員・L
48歳を感じさせないよね。全然ハンデじゃない。
編集部員・J
僕も48歳だとは思わなかった。28歳でも違和感ない。息子の方に感情移入しつつ、親父の方にも感情移入できてすごく面白かった。
事務局長・田渕
ラストはハートウォーミングな読み心地になってますけど、個人的には思春期の少年のどす黒い残酷さみたいなところも評価してます。自分の世界が広がると親が小さく見えてしまって、後になって勘違いって分かるんだけどね。
編集部員・X
この作品に限らない質問なんですけど、選考会では「いい話」ってよくネガティブな意味で使われるじゃないですか。『泣き虫とうさん』はハートウォーミングにもかかわらず評価されたのは何故なんでしょうか。ちなみに僕も評価高いですが。
モーニング編集長・島田
お父さんのキャラが立ってるから。あと、今まで何度も描かれている話じゃないから。例えば『いがぐりの恋』はみんな散々描いた話。けどそれを上手く描けたからいい。『泣き虫とうさん』はある種の新しさがある。父と息子の関係って残酷な部分もあって、本当はそっちも描く上で大事な要素。だけどそっちが前に出て、残酷な話だねってなったら、それはそれでダメだと思う。結局、マンガってエンタテイメントで80~90%は広い意味でいい話じゃないとダメな気がする。



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