【第37回MANGA OPEN締め切り目前企画!】 またまたマンガオープンから新連載が誕生します! 初連載『バトル・スタディーズ』に挑む新星に聞く、連載デビューへの道。
2014/11/20 00:00
[MANGA OPEN] [モーニング本誌情報] [新人賞] [新連載]
作者は、【第34回MANGA OPEN】eBookJapan賞&奨励賞受賞者のなきぼくろ氏。
漫画を読んだことがほとんどなく、ましてや描いたことなど全くない彼が、受賞からわずか1年足らずでデビューすることができた理由とは——。
『バトル・スタディーズ』
読み切りとして「週刊Dモーニング」2014夏の新人増刊号および、「モーニング」本誌2014年41号に掲載され、来年1月から連載化される、なきぼくろ氏のデビュー作。作者自身の体験をもとに、野球の名門「DL学園」野球部に入部した主人公・笑太郎たち1年生の奮闘を描く新感覚野球漫画。
——もともと漫画は読んだことがなかったそうですが、なぜ漫画家になろうと思われたのですか?
なきぼくろ もともと絵は好きで、趣味で描いてはいたんです。もちろん、PL学園に入ってからは絵を描く時間も無くなってしまいましたが、高校を卒業してからはずっと絵を描き続けて、専門学校卒業以降はウェルカムボードを作る仕事をしたりしてなんとか絵でお金を稼げるようにはなったんです。
そしてある日、漫画を描いている夢を見たんですよ。目が覚めて思わず嫁に「俺、漫画描こうと思うわ」って言ったら嫁が「めっちゃええやん!」って(笑)。それで漫画家になろうと思ったんです。
——そうして初めて描いた漫画が、昨年、【第34回MANGA OPEN】で奨励賞を受賞した『どるらんせ』なんですよね。
なきぼくろ とにかく漫画の描き方がわからなくて、全部感覚で描いていたので、評価されるかどうか心配はしました。だから受賞を知った時はめちゃくちゃ嬉しかったです。
でも、その後、審査員の先生方をはじめ、いろんな人に感想を聞いたら、かなり厳しい感想もありました。特に多かったのは「絵本みたい」とか「漫画になってない」っていうものでしたね。だから「漫画を読め」とはいろんな人に言われました。
——受賞後はどんなふうに漫画に取り組まれていたんですか?
なきぼくろ そこから担当編集者がついて、ド素人の僕にイチから漫画のことを教えてもらいました。それからいくつか企画を相談して考えて、ネームを描いてみたりもしたんですが、上手くはいきませんでした。その後『バトル・スタディーズ』のネームにOKが出て、原稿を描き始めた時も、上手く描けずに苦しみました。
そんな時、編集者に映画を観たらどうかと勧められたんです。それも、楽しみのためじゃなくて、漫画の勉強のためにしっかり観てみたら、と。それで実際にカット割りとか、ストーリーとか、漫画の参考にしようと思って観ると、すんなり頭に入ってきたんですよ。特にこの頃観た『フルメタル・ジャケット』なんかは参考になりました。
——その『バトル・スタディーズ』は、どのようにして誕生したのですか?
なきぼくろ MANGA OPENでの受賞から半年後くらいでしょうか。編集者から、モーニングにはネームコンペっていう制度があることを教えられたんです。編集者が担当している新人のネームを持ち寄って会議をして、その中から数本を「週刊Dモーニング」の新人増刊号に掲載するものだということでした。編集者と、ぜひコンペで掲載が決定するようなものを描こうと相談しているうちに、これはもう自分の得意分野、つまり野球を漫画にするしかない、と思うようになったんです。
——『バトル・スタディーズ』の掲載が決まった時はいかがでしたか。
なきぼくろ 人気が出たら連載にするかもしれない、と聞いていたので、そのことも気にしてはいました。アンケートで連載化を望む声が多かったと聞いて、期待していたら本当に連載が決まったので、めちゃくちゃ嬉しかったです。
——最後に、これからMANGA OPENに応募しようと思っている皆さんに、メッセージをお願いします。
なきぼくろ 僕は応募する時、漫画を描くのが初めてなのに大賞しか狙っていませんでした。かなり無謀な挑戦だったな、とは今でも思います。でも、たとえ大賞ではなくても、何か編集部員の心に響くものがあれば担当がついて、一緒に作品を作っていくことができるかもしれません。僕の場合は根拠のない自信だったのでしょうが(笑)。だから漫画家になりたいという気持ちがあるなら、気負わず、気軽に応募してみてほしいですね。
なきぼくろ氏プロフィール
大阪府生まれ。野球の名門PL学園出身で、甲子園にレギュラーとして出場した経験を持つ異色の漫画家。2013年、『どるらんせ』で第34回MANGA OPEN奨励賞とeBookJapan賞を受賞。2014年、デビュー作『バトル・スタディーズ』を発表し、2015年1月から同作品を連載化予定。なお、ただいま作品応募受付中の【第37回MANGA OPEN】は、いよいよ締め切りまで2週間を切りました! 11月30日(日)当日消印有効です!